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キョーテック 友禅染と床暖房

新素材生かす塗りの技
特殊な抵抗体PTCのインクが印刷されたフィルム。電極をつなげば電気式床暖房になる(京都市南区・キョーテックのテクノプリント事業部)
 透明なフィルムの上をゴム製のへらが走り、黒いインクをすりつける。ロールが送り出すフィルムには、四角形を規則正しく並べた模様が印刷されている。
 「最新式の床暖房です」。佐野修弘社長(69)が完成品を手渡した。電源につなぐと表面がほんのり熱を帯びる。ほどよい暖かさだ。
 模様の正体はPTCという特殊な抵抗体。温度上昇に応じて電気抵抗が増すため、一定の温度以上は熱くならない。そんな特性に着目し、温度調節がいらない電気式床暖房として製品化した。建材商社に販売するほか、昨年から大手電機会社にも供給を始めている。
 製造には伝統的な印刷技法のスクリーン印刷を用いる。PTCの材料を塗るへらの角度や材料の粘度などを調整することで、むらなく安定的に印刷することに成功した。佐野社長は「友禅の染色で培ったノウハウを生かしている」と胸を張る。
 創業時は友禅の染色に使う型紙の彫刻が主な仕事だった。「染色だけでは心もとない」と考えた創業者である父の指示で、佐野社長が大学で印刷技術を習得。友禅柄の技術と組み合わせて客船や住宅の内装用化粧板を製品化し、業容を広げた。
 一九九〇年ごろから印刷技術を電気回路の製造に転用し、床暖房の開発に結びつけた。佐野社長はいう。「時代に応じて製造設備をどう生かすか。考え抜けば活路は必ず見つかる」

 キョーテック 1953年設立。グループ会社も含め従業員132人。本社は京都市下京区中堂寺庄ノ内町。2007年7月期の売上高はグループで約73億円。

【2008年5月2日掲載】