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中川パッケージ 陶器用緩衝材と宙づり包装材

環境とデザイン性 重視
ワインボトルなどの物品を宙に浮かせたように包めるキュービックフローター(京都市南区)
 段ボール製の額縁に収まったワインボトルや木製の人形。一見すると、まるで空中に浮かんでいるようだ。
 手品の種は熱可塑性ポリウレタンという透明なフィルム。柔らかく裂けにくいため、前後から物品を挟んで固定できる。複雑な形やパソコンのような大型品も簡単に包める。緩衝材の役割も果たし、中身も見せられる。「インパクトがある包装材を作りたかった」。中川仁社長(40)はそう話す。
 創業から百四年の老舗企業。明治後期に松を薄く削ってできる「モクメン(木綿)」を製造し、清水焼を運搬するときの緩衝材として販売したのが最初の事業だった。戦後は段ボールや発泡性の緩衝材などの製造に乗り出し、事業を広げた。
 だが、環境問題への関心が社会的に高まるにつれ、包装材への風当たりは強くなった。環境負荷が小さくて斬新な包装材を探すなか、熱可塑性ポリウレタンに出会い、「次世代の商品に育てよう」(中川社長)と決めた。
 デザインも優れた商品にするため、東北芸術工科大(山形市)と連携。運ぶだけでなく展示もできる包装材「キュービックフローター」が生まれた。内外のデザインコンテストで数々の賞を受け、贈答用包装材として販路も広がりつつある。
 「環境への配慮や贈り物に込めた真心が伝わる包装材として広めたい」。中川社長は思い入れたっぷりの表情でキュービックフローターを抱え上げた。

 中川パッケージ 1904(明治37)年創業。京都市南区唐橋井園町。段ボールケースや緩衝材を手がける。従業員78人。2007年12月期の売上高は約17億円。

【2008年5月3日掲載】