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レンゴー京都工場 長岡京市勝竜寺八反田

段ボールの可能性広げ 多様な用途 物流支える
98%が古紙で作られた段ボール箱(写真上)
次々と生産される段ボール(長岡京市・レンゴー京都工場=写真下)

 缶ビールから新しいパソコン、引っ越しの荷物まで、身近なところでよく見かける段ボール。そのルーツはシルクハット内に使われた波状の厚紙にあるといわれる。国内では、明治時代にレンゴーの創業者井上貞治郎が初めて事業化、段ボールという言葉とともに世に送り出した。軽くて丈夫、さらに安価と今なお物流に欠かせない梱包(こんぽう)材を、レンゴー京都工場は生産している。

 京都工場は約30年前に開設。段ボール箱を月平均約1000万ケース製造し、京都市や府南部などに出荷している。飲料製品の梱包用が多いため、7月に生産量が増えるほか、近隣に日本酒メーカーが多く11月も伸びる。

 工場内の工程を追うと、まず原紙を貼り合わせて段ボールを作り、次に段ボールが箱になるように加工する。貼り合わせの工程では、段ボールの強度を生み出す波状の中芯(なかしん)原紙に、平らな原紙をのり付けして段ボールシートを作る。幅0・7メートルから2・5メートルまでの原紙から段ボールが製造され、その生産速度は速いときで毎分350メートルにも達するという。

 梱包商品の名前やイラストを印刷する作業もある。「段ボール箱の外側は一般消費者の目に触れ、使用する企業には大切な情報発信のスペースなので気を使う」と仁木英文工場長(50)。印刷機のそばでは、従業員がメジャーを手に、印刷のずれや色の濃淡を入念にチェックする。

 工場は営業機能を有し、周辺の企業や工場と直接取引する。生産拠点が海外移転する傾向は悩ましい課題だが、仁木工場長は「携帯電話の発送用といった新たなニーズも生まれている」とも話す。

 レンゴーは取引先の要望に応え、新しい特徴を加えた段ボールも提供している。表面に特殊コーティングを施し、青果の呼吸や水分の蒸発を抑制したり、静電気を嫌う電子部品向けに導電性を持たせた機能性段ボールなどだ。

 最近では、段ボール製の空調ダクトも登場した。大成建設や栗本鐵工所と共同開発した「コルエアダクト」は鉄板より安価で、軽いために工期を短縮できるほか、結露しにくい特徴がある。京都工場にもこのダクトを使用し、段ボールの新たな可能性を訪れた人に示す。

 京都工場は、現在進めている増改築に合わせ、大規模な太陽光発電設備を導入、今年5月にしゅん工式を開いた。太陽光パネル数は約2400枚に上り、発電能力は年間約37万キロワット時で工場が使用する電力の約1カ月分を賄える。「段ボールは優れたリサイクル製品」と仁木工場長。レンゴーの段ボールは古紙の利用率が98%に上るという。「環境に優しい材料とエネルギーで生産され、地域の物流を支える製品」と胸を張る。

[2007年6月24日掲載]
レンゴー京都工場
 1975年開設。敷地面積約51700平方メートル。改修は来春完成を目指し、建築面積は約30800平方メートルに拡大。段ボールに加え、紙器の生産を始める。従業員は約130人。JR長岡京駅から南東へ約1・2キロ。