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シーシーエス生産センター 京都市下京区

LED照明をセル生産 顧客ニーズに柔軟対応
一つ一つ手作りで組み立てられた画像処理用LED照明(写真上)
各従業員がそれぞれのブースで組み立てるセル生産の現場(京都市下京区=写真下)

 省電力で寿命が長く環境に優しいことから幅広い分野に用途が広がっているLED(発光ダイオード)。画像処理用照明分野への応用を提案し、同分野で世界トップシェアを誇るシーシーエスは、年間約6万個のLED照明製品すべてを生産センター(京都市下京区)で手作業で組み立てている。同センターは、LED照明の需要増を見込み17日に本社(上京区)から移転、拡充したばかりだ。

 画像処理用照明は、工場ラインでの傷検査や位置決め用の画像処理カメラに付属するため、各企業の用途に応じ製品開発する必要があり、多品種少量生産が宿命となっている。それを支えているのが、1つの商品の組み立て行程すべてを1人の従業員が行う「セル生産方式」。

 同センターには従業員1人ごとに畳2畳分程度の作業スペースが設けられている。作業者の前と左右に製品を組み立てるテーブルがあり、ドライバーやはんだごてなどが並ぶ。そこに協力工場が製造したLEDや電源装置などのパーツが届けられる。

 組み立てる商品は4400種類以上。従業員は採用1−4年目程度のパートが大半を占めるが、伝票のバーコードを読み取るとパソコン画面に各商品の設計図が表示される仕組みにより、スムーズに製作に取り組める。さらに、1人が組み立てをすべて行うため、従業員のものづくり意欲向上にもつながっているという。

 1993年の創業当初はラインでの流れ作業だった。しかし需要拡大に伴い商品数が増え、2002年にセル生産へ移行。完成までの作業時間は30−40%短縮された。さらにセル生産化で「顧客のニーズに合わせ柔軟に製造できるようになった」(山田岳宏製造部長)のが大きな利点だ。現在では1日の生産個数250−300台のうち、70−80台は特注品が占めている。

 組み立て時に特に注意しているのは静電気対策。LEDは静電気にとりわけ弱く不良品の原因となる。このため、従業員が静電気対応の制服や靴、リストバンドを着用するだけでなく、各セル生産スペースに静電気防除用の風を送る装置を設置するなど、考えられる静電気防止策はすべて行っているという。

 静電気対策に加え、加工ミスなどの検査態勢も万全を期す。協力工場からの納入時に部品を仕分けると同時にチェックし、組み立て後に制作者が自ら点検。その後、1日間照明を付け続け初期不良を確認した後、再び照明のムラが無いかどうか専門部署で調べ、出荷前にも全量検査する徹底ぶり。歩留まり率も、セル生産化で80%から99・95%にまで高まった。

 新たな分野を切り開いているだけに「不良品が出れば顧客は二度と帰ってこない」(山田部長)と危機意識は強い。ベンチャー精神と生産方法へのこだわりが、最先端のLED商品を生み出している。

[2007年7月22日掲載]
シーシーエス生産センター
 2007年7月に京都市上京区の本社内の生産施設を移転し稼働。物流拠点も併設した。貸しビル1、2階部分の延べ床面積1700平方メートル。従業員約60人。JR京都駅八条口から東に約200メートル。