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コタ本社工場 京都府久御山町田井新荒見

美容室向け 多種高品質 首都圏シェア拡大へ攻勢
調合された原液を次々と容器に詰める充てん工程の現場(京都府久御山町・コタ本社工場=写真上)
髪の質などに合わせて使い分けるコタのシャンプーやトリートメント(写真下)

 頭部を清潔に保つだけでなく、美しい髪を望む人にとって、毎日使うシャンプーやトリートメントへの関心は高い。近年、髪の質や仕上がりに合わせ、さまざまな製品が生まれている。その中でも、特に高い品質が求められる美容室向けの業務用品を製造、販売するコタの生産拠点が本社工場だ。

 コタは、主力のシャンプーやトリートメントをはじめ、整髪料など頭髪用の化粧品や医薬部外品を扱う。豊富な商品ラインアップが特徴で、本社工場の製品数は155品目に上る。

 生産工程は、原料の調合と容器への充てんに大きく分かれる。調合の作業スペースには原料を混ぜ合わせるためのタンクが並び、出来上がった原液の香りが室内を満たす。

 タンクは約0・5〜6トンの計9基あり、製造する原液の種類や量に応じて使い分ける。粘度が低いシャンプーは、界面活性剤や香料などの原料を6トンタンクで一度に多く調合できる。粘度が高いトリートメントは、撹拌(かくはん)性能が高いタンクを使う。原料の配合量や作業手順を間違えると大きなロスが生じるため、「作業時はいつも緊張感に包まれている」(製造課)という。さらに、調合を終えるごとに研究部門が製品の成分などをチェックしている。

 調合後の原液は充てん機で容器に詰められ、従業員が完成品を手にとって点検する。ライン上から取り除かれた不良品の傷や汚れは一見、容器のどこにあるのか分からない程度だが、長谷川直樹・取締役生産部長(46)は「品質にこだわる美容師が使う製品なので、最後まで妥協しない」と強調する。

 美容室で販売する家庭用製品もある。市販より高価格だが、髪の質や状態に合わせて選べるシャンプーなどをそろえ、美容師が顧客の髪をカウンセリングした上で適したものを提案している。業務用トリートメントの効果を維持する家庭用トリートメント「コタリペア ホームケア」は昨年度約17万本が作られ、本社工場で最も生産量が多い製品に成長した。

 コタは今年6月、首都圏市場のシェア獲得に向け、東京支店に続く関東方面の営業拠点として横浜営業所を開設した。独自開発した経営分析システムによる取引先美容室の支援策も功を奏し、売上高は増加傾向にある。生産部門では本社工場の改修を計画しており、生産能力を約1・5倍に増強する予定だ。

 本社工場は「多品種必要量生産」という基本方針を掲げている。シャンプーなどは毎日必要とされるものだけに「生産日程の調整は難しいが、製品切れは許されない」(長谷川取締役)。安定した製品供給と効率の両立や、品質維持を追求する姿勢で、美容師らの要望に応えている。

[2007年9月23日掲載]
コタ本社工場
 約3820平方メートルの敷地内に、建築面積約1150平方メートルの南工場(研究棟含む)をはじめ、北工場や物流倉庫などがある。生産部の従業員は約40人。2007年3月期の生産高は約27億円(代理店価格ベース)。