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真心込め、納得の一杯

麺処むらじ店主 連恭子さん
麺処むらじ店主 連恭子さん
麺処むらじ店主 連恭子さん

 高級料亭が軒を連ねる京都・祇園(京都市東山区)の中心部で、小さなラーメン店を切り盛りする。人気店がひしめく京都のラーメン業界で、女性店主はごくわずかだ。国内外からさまざまな人が集まる観光と歓楽の街で、一杯に真心を込める。

 祇園で低価格のラーメンを提供する-。こんな方針を立て、店づくりを練った。京都の人気店を回ったが、来店客はどこも男性が大半。「女の子が1人で入れるラーメン店があってもいい」。構想を固め、味付けや器、インテリアまで女性の視点を貫いた。

 ラーメン店で働いた経験はなく、2015年11月の開店直前までスープ作りに没頭した。「ラーメンは一杯で勝負が決まる。納得できるまで味を追求した」。濃厚でまろやかなスープを完成させ、塩やしょう油味を看板メニューに据えた。輪切りレモンをのせた「檸檬(れもん)ラーメン」や、地元酒造メーカーに協力を得た「酒粕(さけかす)ラーメン」も開発。多い日で250人以上が訪れる。

 飲食業界に飛び込んだのは02年。当時は主婦だったが、友人の誘いで新規開店の居酒屋で働くことを決めた。パートのつもりで出向くと、任されたのは店長。「人当たりがいい」というのが理由だった。予想もしない提案だったが、二つ返事で引き受けた。

 持ち前の明るさとおしゃべりで職場をもり立て、利用客にも気さくに声を掛けた。居酒屋を皮切りに系列の和菓子店やカフェなど10店舗以上で店長を務めた。「与えられたチャンスは最大限生かす。いつも挑戦する気持ちは忘れずにいます」と話す。

 「自分の会社を持ってみないか」。グループ会社トップの一言に背中を押され、15年には新設の飲食事業子会社の社長に就任した。一城の主として初めて手掛けたのがラーメン店だ。「仕事も生活も常に全力で楽しむ。その喜びは必ず周囲に伝わり、お客さんにも『来て良かった』と思ってもらえると信じています」


 むらじ・きょうこ 京都文教短期大を卒業後、クラウディア入社。結婚退職し、2002年にIT・飲食のインデン(京都市中京区)グループ入社。15年から同社子会社FOOMO社長。同11月にラーメン店「麺処(めんどころ)むらじ」を開業し、店主に就任。夫と長女、義父、義母の5人暮らし。大津市在住。47歳。

【2017年01月22日掲載】