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顧客視点でのモノづくり不変

キャノンマシナリー 高崎勲さん
「社会的に評価され、21世紀も輝き続けられる企業になりたい」と話す高崎社長
 大証二部上場の半導体製造装置メーカー「キヤノンマシナリー」(旧NECマシナリー、草津市南山田町)が、ITバブル崩壊による経営不振から、復活の道を歩んでいる。トヨタ生産方式を採用して生産革新を進め、昨秋にはキヤノン傘下に入ってさらなる事業拡大を図っている。高崎勲社長にこれまでの取り組みと、今後の経営方針について聞いた。

 −ITバブル崩壊による経営悪化から、近年、順調に業績が回復している。

 「2001−02年は、売り上げが、それ以前の35%にまで落ち込んだ。人員も削減し、まさにがけっぷちの状態の中、最も力を入れたのが生産革新活動だった。トヨタ生産方式を取り入れて生産性を上げ、設計段階から出荷段階まで徹底して品質の向上に努めた。この活動で、従業員の意識が大きく変わった。物事を変えていくことに抵抗がなくなった。おかげで昨年3月末で累積損失を解消し、わずか10円だが復配もでき、やっと普通の会社に戻れた」

 −昨年、NECグループから、キヤノン傘下に入った狙いは。

 「キヤノンは、グローバル優良企業構想の中で、自動化生産を目指しており、その中で、当社の設備技術を評価していただいた。昨年の初夏に話を持ちかけられ、われわれにとっても事業の柱が一つ増え、プラスが多いと判断した。すでに、NEC向けの売り上げは、全体の7%ほどしかなく、NECともスムーズに話が進んだ。だが、キヤノン傘下となっても、顧客視点でのモノづくりをするという経営方針は変わらない」

 −復活を確実にし、過去最高の売上高の320億円を上回るための方策は。

 「これまでは、損益分岐点を下げ、売り上げ減少に対応してきたが、市場が好転してきた今、売り上げを増加させるための対応が必要だ。そのためにまず、約2億5000万円かけて工作機械を更新する。また中国・大連の工場で、昨年11月から3カ月ごとに、技能者を10人ずつ採用している。60人程度まで増やし、今後はコストのかかる部品加工は中国で行っていく。経営不振だった2年間を肝に銘じ、安定成長する企業にしていきたい」

■たかさき・いさお 京都工芸繊維大工芸学部卒。1966年新日本電気入社、72年ニチデン機械(現キヤノンマシナリー)に出向、同社取締役、常務などを経て、2000年6月から社長。兵庫県出身。62歳。

[2006年2月20日掲載]