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文化財や遺跡生かし 体験型観光をPR

びわこビジターズビューロー会長 高橋宗治郎さん
「これまでは琵琶湖さえ見てもらえればいいという思いが強すぎた。訪れる人の立場に立った観光を考えなければ」と話す高橋会長
 春の観光シーズンを迎え、県内各地の観光地が活気づいてきた。今年は、NHK大河ドラマ「功名が辻」の放映で、湖北地域を中心に訪れる人の増加が見込まれる。3年前に県内の観光振興団体が統合して発足した「びわこビジターズビューロー」の高橋宗治郎会長に、今後の滋賀の観光のあり方について聞いた。

 −NHK大河ドラマ「功名が辻」が放映中だが、その効果は。

 「長浜で開催中の北近江一豊・千代博覧会は、連日かなりの人出と聞いている。秋にかけ、さらに期待できそうだ。県内での撮影に当たっては、ビューロー内の滋賀ロケーションオフィスが全面的に協力した。県民のみなさんにもエキストラをお願いし、NHKのスタッフにも撮影に適した場所があると非常に好評だった。ドラマでは最後に、ゆかりの地として滋賀が紹介されているが、他の番組や映画でも、滋賀で撮影した場合は、場所を明記してもらうよう働きかけていきたい」

 −観光のスタイルが変わりつつある。滋賀の目指すべき方向は。

 「従来は見て回る観光が中心だったが、今後は『体験』や『学ぶ』観光が増える。滋賀には、文化財や遺跡が数多く、そうした観光に適している。『癒やし』も重要な要素になる。これまでは琵琶湖はレジャーの場だったが、今後はゆっくり眺めて滞在する場にもなるのでは。また、来年から団塊世代が大量退職する。老後の楽しみの一つとして旅行や観光に出かける人も増えるはず。団塊に的を絞った取り組みも強化したい」

 −滋賀観光の課題の一つが、宿泊客の少なさ。どう打開するのか。

 「滋賀は京都、大阪、そして名古屋など東海地区にも近く、なかなか宿泊に結びつかない。宿泊客を増やすには、関東や九州、そして海外の旅行客に重点を置いて誘致をする必要がある。例えば台湾や韓国、中国からの旅行客は、雪景色や温泉、買い物を求めている。そうなると滋賀だけでは不十分だ。京都や大阪などと連携し、広域的な観光をPRしていきたい」

 −びわこビジターズビューローが発足して4月1日で丸3年が経過した。統合効果はあったか。

 「県観光連盟や県観光キャンペーン推進協議会など、県内の観光関連団体が統合して発足した。以前はさまざまな団体が乱立した状態で、力が分散していた。ビューローに一本化したことで、意思統一や連携がよくなった。将来、市町レベルの観光団体をビューローの支部として組織できるようになれば、さらに効率的な活動ができるのではないか」

■たかはし・そうじろう 立命館大経済学部卒。1947年滋賀銀行入行、頭取、会長を経て2005年6月から特別顧問。01年5月に県観光連盟会長に就任し、03年4月、びわこビジターズビューロー発足に伴い会長就任。79歳。京都市出身。

[2006年4月17日掲載]