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教育、地方分権で滋賀モデルを

滋賀経済同友会代表幹事 辻淳夫さん
「小さな枠組みにとらわれず、大局観の中で滋賀のために提言していきたい」と話す辻代表幹事
 近年、滋賀経済同友会は、新しい時代の中小企業経営の在り方や地域づくりについての提言を次々と打ち出し、全国的に注目を集めている。本年度も、教育問題や地方分権などの研究会を立ち上げ、活発な活動を展開している。今年5月から代表幹事を務める滋賀銀行の辻淳夫専務に、同友会のあるべき姿、今後の取り組みの方針などについて聞いた。

 −活動や提言が全国的に注目を集めるが、その理由は。

 「滋賀経済同友会は、2008年に設立50周年を迎える。過去の提言を見ると、いずれも10−20年の長期的視点に立った立派な中身だ。だが、その内容は道路などのインフラ整備が中心だった。近年は、一歩前進したというか、環境を主軸にした提言にシフトしてきている。しかも、代表幹事らの顔ぶれが替わっても活動は変わらず、着実にレベルアップしている。これは組織の力だ。今後も、琵琶湖という資産を生かし、滋賀の強みを全面的に生かした湖国づくりについて、提言をしていきたい」

 −5月から代表幹事に就任したが、今後同友会で取り組みたいことは。

 「一つは、教育問題だ。安倍内閣も教育問題に力を入れるとしている。われわれは少子高齢化が進む中で、次代を担っていく若い人たちをどう育てるか、そして今の教育の在り方でいいのかを考え、滋賀独自の教育改革をまとめ、一つのモデルにしたい」
 「もう一つは、地方分権だ。難しい問題だが、地方と中央との関係や広域行政の中で、滋賀のあるべき姿を提示したい。道州制についても国による押しつけでなく、われわれ自身が主体的にどういう地域分けがいいのか、経済界の立場からしっかり検証をしたい」

 −副代表幹事だった一昨年から、健康と環境にやさしい観光振興に力を入れてきた。滋賀の観光をどう見るか。

 「国も県も、観光振興という掛け声は立派だ。だが、中身が伴っていないのが実状だ。県の観光予算も貧弱だ。結局は、民の力で作り上げていかなければならないだろう。滋賀は、琵琶湖をはじめとした自然と、豊富な歴史遺産、文化財がある。それらをもっと有機的に組み合わせた観光振興をすべきだ。滋賀経済同友会は、市民団体や企業から提案があった健康と環境にやさしい7つの観光事業プランを表彰し、現在、取り組んでもらっている。まち全体がテーマパークのような京都や奈良と同じやり方ではだめだ。滋賀らしい方法で滋賀の良さを全国に伝えることが必要だ」

■つじ・あつお 立命館大経済学部卒。1966年滋賀銀行入行。東京支店長、京都支店長などを経て、2000年常務、05年から専務。02年滋賀経済同友会幹事、その後常任幹事、副代表幹事などを経て06年5月から代表幹事。大津市出身。63歳。

[2006年10月9日掲載]