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合併と人事改革で組織活性化図る

滋賀県商工会連合会長 川瀬重雄さん
「景気回復は大企業中心で、格差が是正されなければ、中小零細企業は今年も厳しい経営環境が続く」と話す川瀬会長
 滋賀県商工会連合会が、商工会の活性化を目指して、大きな改革を進めている。県内商工会の合併を進めるとともに、昨年4月には商工会と同連合会の人事を一元化。その一方で、組織の増強のため後継者育成にも取り組んでいる。今年、それらの改革をどう進めるのか。川瀬重雄会長に聞いた。

 −いざなぎ景気を超える景気拡大が続く中、今年の景況をどう見るか。

 「新聞やテレビなどで、いざなぎ景気を超えたと言われても、商工会の会員である中小零細企業は、ほとんど恩恵を受けていない。大企業の下請けで潤っているのは一部で、多くは値下げ要請などでしぼられている。今年もその傾向は続くだろう。大企業との格差を是正しなければ、中小零細企業は厳しいままだ」

 −県内で商工会の合併が進んでいる。現状と今後の方向性は。

 「昨年は、湖南市内の2商工会と、高島市内の6商工会が合併し、今年4月には米原市内の4商工会が合併する。また東近江市や甲賀市、野洲市内の商工会も検討中だ。今、商工会にはより高度な経営指導や地域活性化に向けた取り組みが求められている一方、補助金の削減で経費節減も迫られている。組織を充実、強化するには合併は避けて通れない。ただ、自治体の合併が進まない地域で、商工会だけが合併することは難しく、市町の動向を見守りたい」

 −昨年4月、県内商工会と同連合会の人事を一元化する大幅な組織改革に踏み切った。その狙いは。

 「人事の一元化は、人員と組織の活性化が狙いだ。商工会職員は、各商工会が独自に採用し、いったん就職すると定年までほぼ異動がなかった。そのため、仕事のマンネリ化に陥りやすかった。人事が一元化されたことで、職員はたえず緊張感を持ち、どこでも通用する能力が必要となる。4月には全商工会職員の約2割にあたる42人が異動した。今後は、職員1人1人の能力によって職級に位置づけ、仕事の成果をきちんと評価できる人事制度を導入していきたい」

 −本年度から、後継者を探す商工業者と起業や創業を目指す人との出会いの場となるマッチング相談会を開いているが、成果は出ているのか。

 「昨年4月からすでに6カ所でマッチング相談会を実施し、事業者43人と起業を目指している127人が参加した。そのうち、閉店した喫茶店が新しくイタリアンレストランに生まれ変わるなど、5件が成立した。県内の商工会会員数は現在約2万人だが、ここ数年、毎年200−300人ずつ減少している。その主な原因が、廃業によるものだ。会員を増やすには、事業所を増やすことが重要であり、今年も創業する人を支援し、会員増強に努めたい」

■かわせ しげお 彦根工業高中退。1946年家業である製材業に就き、その後設立した川重木材で社長などを務める。現在は、川重に社名変更し、会長。85年−91年、94年から愛東町商工会(現東近江市愛東商工会)会長。2000年から県商工会連合会長。76歳。東近江市出身。

[2007年1月8日掲載]