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世界遺産へ機運高め国内外に魅力発信

国宝・彦根城築城400年祭実行委員会会長 北村昌造さん
「400年祭をきっかけに、彦根城を世界遺産にする機運を盛り上げたい」と話す北村昌造会長(彦根市・彦根商工会議所)
 国宝・彦根城築城400年祭が開幕した。主催者は250日間にわたる会期中の彦根城への来場者を最低でも55万人と見込んでいる。祭りをどう盛り上げ、全国からの観光客をどうやってもてなすのか。彦根商工会議所会頭で、同実行委員会の北村昌造会長に聞いた。

 −400年祭が21日、いよいよ開幕した。今の意気込みは。

 「400年祭の機運が市民の間でも高まっている。先月は、さっぽろ雪まつりの会場に彦根城の雪像が造られ、訪れた全国の観光客に祭りをアピールすることができた。また、マスコットキャラクターのひこにゃんも予想外の大人気になっており、すでに売り切れのグッズも出ている。井伊直弼公を主人公にしたNHKの最初の大河ドラマ『花の生涯』の放映(1963年)以来、彦根城を全国にPRする機会がなかったが、この400年祭で、再び彦根城を全国の人々に知ってもらいたい」

 −彦根城は、中高年には知られているが、若者の知名度はいまひとつとされる。

 「彦根城は城替えがなく、井伊家が約250年間守り続けてきた。そのため宝物も残され、建物もすべて本物だ。年輩の人は、その良さを理解してくれるが、歴史的背景に関心やこだわりのあまりない若者や女性には伝わっていない。会期中、開国記念館では子ども向けにわかりやすく井伊家14代の歴史を紹介するほか、屋形船によるお堀の遊覧も行う予定で、ぜひ若い人を呼び込みたい」

 −彦根はこれまで、長浜や近江八幡など県内の他市と比べて、観光面で一歩後れを取っている感があったが。

 「彦根市民にとって、彦根城は空気のような当たり前の存在で、これまで全国に発信するチャンスも意気込みもなかった。400年祭に来る観光客をもてなすのに、関係者だけではとても手が回らない。市民1人1人が訪れる人に細やかなサービスと気遣いをすることが大切だ。この400年祭を、市民の意識改革の契機にもしたい」

 −400年祭を通じて、彦根はどんなまちを目指しているのか。

 「11月25日で400年祭は終了するが、それで終わりにしたくない。観光は今、国内の地域間だけの競争ではなく、外国との競争にもなっている。海外からも観光客に来てもらわないと生き残れない。彦根城は世界遺産の国内候補に暫定登録されている。400年祭をきっかけに、あらためて彦根城を世界遺産にするのだという機運を盛り上げたい。そして国内外から観光客が訪れる魅力的なまちにしたい」

■きたむら・しょうぞう 県立彦根東高卒。1954年4月永昌堂印刷に入社、84年から同社社長。彦根商工会議所副会頭を経て、2001年11月から会頭。05年10月、国宝・彦根城築城400年祭実行委員会会長に就任。71歳。彦根市出身。

[2007年3月25日掲載]