京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > 近江の企業人
インデックス

合併3年、イメージ定着 中小零細支援に本腰

滋賀中央信用金庫 松尾一仁理事長
「合併から3年たって、むしろこれからが滋賀中央信用金庫として本当のスタート」と話す松尾理事長
 彦根信用金庫と近江八幡信用金庫の合併により、滋賀中央信用金庫が誕生して、今月20日で丸3年を迎える。この間、他府県の金融機関の滋賀進出は止まらず、競争激化が続いている。その一方で、元職員による不祥事も発覚した。今後、企業の社会的責任がさらに求められる中で、どのような信金を目指すのか、今年6月に就任した松尾一仁理事長に聞いた。

 −滋賀中央信用金庫の誕生から丸3年、合併後の基礎となるこの時期を振り返っての感想は。

 「この3年間は、滋賀中央信用金庫の名前を徹底させる期間だった。お客さんも、彦根、近江八幡、それぞれの信金のイメージがあったが、今はほぼ滋賀中央信用金庫として認知されたのではないか。また、職員間の融和にも力を入れた。合併当初から給与体系を一本化し、営業エリアを4ブロックに分けるなど、旧体制の払しょくに努めた。職員の融和には5年10年かかるといわれたが、われわれの場合は順調に進んだと思う」

 −この3年間、景気は着実に回復したが京都の金融機関が彦根市内に支店を開設するなど、厳しい競争は増している。

 「われわれの取引先は、中小零細企業がほとんどで、景気回復といわれていても、設備投資の資金需要が出てきたという感じはない。かろうじて、老朽化による買い換え需要が少し出てきている程度で、生産能力アップの投資ではない。よくいわれるように、大企業と中小企業の格差で、まだら模様の景気回復だ」
 「県南部では、土地の価格が下げ止まり、個人の住宅ローン需要が出ており、激しい金利競争が続いている。だが、今のところ、京都勢の進出による影響は少ない。対象としている取引先が違っているのだろう。金利競争をしても仕方がなく、小口多数でこつこつと需要を拾って、中小零細企業が元気になるように支えていくことが、われわれの役目だ。そのためにもフェイス・トゥ・フェイスを大切にして、お客に親しみを感じてもらうことを大切にしたい」

 −一方で、2005年に元職員による現金着服事件が起きた。さらにその報告義務を怠り、今年に入って近畿財務局などから処分を受けた。法令順守が叫ばれる中、処分を受けたことをどう受け止めているか。

 「経営陣に判断の甘さがあった。預金者に迷惑をかけたわけでもなく、すぐに全額返済されたため、報告しなくてもいいだろうと安易に考えてしまった。今後は、関係機関への報告を徹底するとともに、二度と不祥事が起きないようにしたい。そのためには、職員間で気軽に何でも話し合える雰囲気づくりが大切だ。事件を起こした元職員は個人的な借金の悩みを、上司に打ち明けられなかった。現在、弁護士や公認会計士でつくる内部管理改善委員会を設け、会議の議事録をチェックしてもらうとともに、職員からの相談にも対応してもらっている。うわべだけではなく役員の意識改革も含め、真の再発防止に取り組みたい」

■まつお・かずひと 近畿大卒。1964年4月近畿財務局入局、京都財務事務所総務課長などを経て、95年5月近江八幡信用金庫入庫、理事、常務理事などを務め、2004年7月滋賀中央信用金庫の発足とともに常務理事就任、専務理事を経て07年6月に理事長就任。64歳。綾部市出身。

[2007年7月8日掲載]