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温暖化対策を率先 滋賀県内の中小にも拡大

滋賀経済産業協会環境委員会 森建司委員長
「環境県滋賀の企業として、政府の政策を待つのではなく、今こそ自ら行動を起こす時だ」と話す森委員長
 滋賀経済産業協会が、地球温暖化防止に向けて、動き出そうとしている。5月には、企業間のクリーン開発メカニズム(CDM)や排出権取引を含めた産官学で取り組む温暖化防止対策を滋賀県に提言した。その背景や詳しい内容などについて、同協会副会長で、環境委員会の森建司委員長に聞いた。

 −先日、提言書「サスティナブル滋賀の創造 脱炭素化社会実現に向けての行動宣言および提言」を知事に提出したが、その思いは何か。

 「地球温暖化防止のための京都議定書で、日本は温暖化ガスの排出量を1990年に比べ6%減らすことを義務付けられているが、実際は削減するどころか逆に8%増加している。海外では、EU(欧州連合)が首脳会議で2020年に20%削減することで合意し、京都議定書の批准を拒否したアメリカでさえも、複数の州で大幅な排出削減に取り組んでいる。このままでは日本は取り残される。環境県滋賀の企業として、事業規模の大小にかかわらず、政府の政策を待つのではなく今こそ自ら行動を起こす時だ」

 −提言の中で、最も特徴的なのが、県内における企業間のクリーン開発メカニズムの導入だ。具体的にどういうものか。

 「クリーン開発メカニズムは、京都議定書に盛り込まれた国際間ルールの一つで、途上国での温室効果ガス削減のために先進国が技術供与した場合、その削減分を先進国の削減分として換算する仕組みだ。これを県内の企業間に応用する。大手企業が下請け会社の環境対策を実施し、その削減分を大企業の削減分として換算する。環境対策が進んだ大企業がさらに対策を講じるより、遅れている中小企業が環境対策をする方が、削減効果が高い。ほかにも、温暖化防止に取り組むNPO(民間非営利団体)や市民団体の活動に対する支援も、社会貢献による削減として見なすことも考えている」

 −二酸化炭素の正確な削減量を調べるのは難しいが、どうやって換算するのか。企業の自主的な取り組みで、果たして広がるのか。

 「公平に削減量を審査評価するためには、第3者機関が必要だ。学識経験者や市民団体、自治体などで推進機構をつくり、どれだけ二酸化炭素を削減したか検証し認証を与える。その一方で、二酸化炭素の削減に効果のあった企業を優良企業として表彰するなどして、インセンティブを持たせれば、取り組みは広がるのではないか。これらの取り組みには、県などの行政、他の経済団体、NPO、市民などの協力は欠かせない。ぜひ全県挙げて取り組めるよう、働きかけていきたい」

■もり・けんじ 長浜北高卒。1960年新江州(当時は江州紙業)に入社、87年社長就任、2003年6月から会長。滋賀経済産業協会が発足した03年10月から副会長。71歳。長浜市出身。

[2007年8月26日掲載]