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大型店一律敵視せず各店ソフト改革を

大津市商店街連盟理事長 石川順三さん
流通競争の激化を前に「商店街もビジョンと個店のレベルアップが必要」と訴える石川理事長
 滋賀県では最近、ショッピングセンターなど大型店出店計画が相次いで明らかになり、湖国の商店街は生き残りをかけた戦略的なビジョンや展開が問われている。湖南エリアでは近隣の草津市でイオングループの西日本巨艦店も構想されており、県都・大津市の商店街も「対岸の火事ではない」と危機感を募らせる。大津市商店街連盟の石川順三理事長に展望と対応策を聞いた。

 −スーパーを中心に大型店の新規出店が相次ぎそうです。

 「大型店だからといって、一律に敵視する時代ではない。協調する店と競合する店で二分されるとみている。例えば、滋賀県を地盤とする平和堂のスーパーや西武系の百貨店は、商店街とともに販促行事を行い、共存共栄の取り組みを進める店もある。新規出店は大型店にとどまらず、県外資本の中小スーパーの攻勢も見受けられるが、消費者の選択肢を増やす一面もある。地域の商店街と協調できるかどうかが大切で、是々非々で対応策を練りたい」

 −改正まちづくり三法が完全施行されます。追い風になりそうですか。

 「法改正は大型店の郊外出店を規制し、中心市街地で商業集積を進める狙いと聞くが、遅きに失した印象だ。大津市の小売業の売り場面積は、すでに大型店が7割近くを占めている。その上、売り場面積で3万平方メートル以上の大型店が市内のほか、近隣の草津市、守山市を含めて少なくとも3カ所で法改正前の駆け込み出店が進んでいる。少子高齢化による消費者の購買行動も変わるなか、商店街としては競争を生き残るための仕掛けを強化するしかない」

 −どういう方向性を目指しますか。具体策は。

 「一つは近隣住民のご用聞きを強化する地域密着型、もう一つは広域からの集客を狙う観光型だろうか。具体策は加盟する19の各商店街でそれぞれに練り、実現させるしかない。連盟としては、15年間続けた共通ポイントカード事業をてこ入れしたい。参加店を従来比3割増の250店まで伸ばすほか、利用場所を大型店やタクシーなど公共交通でも使えるようにし、商店街同士や他店舗との提携アイテムに育てたい」

 −個店のレベルアップも課題に挙げています。

 「アーケード整備などハード対策は瞬間的な集客効果しかなく、各店のソフト改革こそ重要。業態や品ぞろえ、接客など商売の基本を徹底的に見直したうえ、携帯電話やメールを活用した新たな商いの形も模索したい」

■いしかわ・じゅんぞう 京都外国語大卒。大阪市内の加工塩製造販売会社勤務を経て、1975年に食品販売業の石川商店に入社。80年から社長。大津市商店街連盟では98年に理事に就き、2007年6月から理事長を務める。大津市出身。61歳。

[2007年10月28日掲載]