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豊かな自然生かす 観光プラン示したい

滋賀県旅館生活衛生同業組合理事長 佐藤良治さん
「歴史的な史跡だけでなく、琵琶湖という自然資産があることが強み」と湖国観光の潜在力の高さを説明する佐藤理事長
 彦根城築城四百年祭などで盛り上がる滋賀県の観光業界。来年の「源氏物語千年紀」に合わせた関連行事が県内でも予定されるが、足元では老舗の旅館やホテルの廃業・売却も散見される。県旅館生活衛生同業組合の佐藤良治理事長に、湖国観光の展望や課題を聞いた。

 −旅行スタイルが多様化するなか、観光関連業にはどんな姿勢が求められていますか。

 「具体的にどのようなスタイルがあり、旅行者が何を求めるのかを整理し、仕事のし方を見直すことが必要だろう。昔ながらの物見遊山の団体旅行は一部でしかなく、寺院の周年行事や自然体験、ビジネス滞在などいろんなかたちがある。湖国観光は、延暦寺や築城四百年の彦根城など史跡も多く、潜在力は高い。国内で外国人観光客が増えるなか、チャンスは広がっている」

 −滋賀観光ならではの強みとは何ですか。

 「琵琶湖をはじめとした自然環境はほかにない強みだ。夏場の湖水レジャーはある一面でしかないが、水辺環境や里山の美しさ、あるいは保全活動そのものを体験するようなエコツーリズムは一つの切り口になり得る」
 「観光を通じて、心の豊かさや個別のこだわり体験を求めるニーズも高まっており、一部ホテルでは、大津市在住の写真家今森光彦さんの協力による環境プランを提供している。県を挙げて、琵琶湖の世界遺産登録も目指すなど湖国のブランド価値を高める動きを進め、宿泊業者としても具体的なプラン提案を強化したい」

 −組合活動も強化している。

 「宿泊業界としては底上げのために、情報交換や最新技術を学ぶ交流活動に力を入れている。10月から県旅館生活衛生同業組合の若手経営者ら向けの学習会『高心塾』を始めた。2カ月に1回程度集まり、例えば、利用が伸びているインターネット予約を学び、導入を進めたりして、時代の変化に対応したい。もう一つの課題は、宿泊施設の環境対応だ。環境管理規格『ISO14000シリーズ』取得などを後押ししたい」

 −来年の「源氏物語千年紀」では大津市でも関連行事が行われます。

 「京都や宇治と連携を強められることは、関西圏での広域連携に向けた動きとして歓迎したい。ただ、肝心なのは、滋賀県ならではの観光の魅力づくりだ。一過性のイベント集客に終わらせないように工夫したい」

■さとう・よしはる 立命館大卒。1964年に大津市雄琴1丁目の旅館「びわ湖花街道」を経営する國華荘に入社。専務を経て、88年から社長。2007年6月から滋賀県旅館生活衛生同業組合理事長を務める。京都市出身。68歳。

[2007年11月25日掲載]