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顧客照準は30、40代高級感を打ち出す

西武百貨店大津店長 波多野義秋さん
百貨店らしさへの回帰を掲げて売り場づくりを進める波多野さん
 大型商業施設が2008年から滋賀県内で相次いで開店するのを前に、大津市の西武百貨店大津店がハード、ソフトの改善を強化している。百貨店らしさへの回帰を掲げて売り場づくりを進める波多野義秋店長(60)に戦略や課題を聞いた。

 −大型店進出の影響をどうとらえていますか。

 「今秋以降、ここから車で15−30分の草津市や守山市で、大型店が相次いで開店するため、食品や雑貨を中心に、売り上げで10%ほど減ると覚悟している。商圏として滋賀県は人口が伸びる魅力あるエリアだが、百貨店のある大津市は草津市などに比べて、県都にしては存在感が薄いうえ、商業集積でも店が点在している厳しさがある。これまでは近くに有力な大型店が少なかったために、顧客設定などもあいまいだったが、百貨店らしさを打ち出して新規大型店と勝負したい」

 −売り場づくりのポイントは。

 「顧客層を30−40代の男女をメーンと定めて、ショッピングセンターやスーパーにはない高級感を打ち出せるファッションなどで強化を進めている。キーワードは『日常の上質化』だ。百貨店らしく買い回りを楽しめる売り場づくりやブランド店の入れ替えを順次進めている。成果も出始め、下がり続けた売上高は2006年度が前年度比0・8%増え、07年度上半期も前年同期に比べて1・7%伸びた。クールビズが流行したように、男性でもおしゃれに関心を持つ人が増えている。団塊世代が退職して地域に帰ってくることも視野に入れれば、チャンスは広がっている」

 −顧客づくりも課題に挙げています。

 「情報発信を強化している。昨年9月からは月1回ずつ、店独自のカタログ風冊子を新聞折り込みで10万部宅配するようにした。スーパーのようにチラシだけではなく、百貨店らしい衣料や小物などをアピールできる。個人への働きかけのため、会員カードの利用拡大も鍵だ。いつ、どこで、何を買ったのかと、購買履歴を分析できるため、ヘビーユーザー化するための仕掛けとして活用できる。年間稼働客数は10万人だが、2、3年後には12万人まで増やして新たな客を迎え入れ、利用回数を増やしたい」

 −今後の方向性は。

 「今後数年で大型の改装や投資を予定していないが、常にてこ入れを続けたい。百貨店の顔である1階も含めて百貨店らしいブランド店を増やす。また、店長として滋賀の物産展など催事を復活させたが、百貨店らしいにぎわいやこだわりを打ち出せる企画展開にも力を入れたい」

■はたの・よしあき 静岡県立三島南高卒。1966年に西武百貨店に入社。沼津店長を経て、06年2月から大津店長に就任した。07年5月から取締役も兼ねる。静岡県三島市出身。60歳。

[2008年1月20日掲載]