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移転新築から10年 ソフト面充実したい

琵琶湖ホテル社長・小田修さん
「集客施設として滋賀の魅力をどんどん発信したい」と意気込む小田さん
 滋賀県内の老舗宿泊施設、琵琶湖ホテル(大津市)が十月、移転新築オープンから丸十年を迎える。宿泊客利用が高水準で推移する中、小田修社長(60)は「エコツーリズムの事業モデルを確立したり、飲食店ノウハウを外部で生かしたい」と、京阪グループの中核ホテルとして、ソフト事業の充実と応用により収益拡大を図る方針を示している。

 −客室利用の動向をどうみていますか。

 「中高年や団塊世代をターゲットにした戦略が当たり、客室稼働率は移転当初から年間80%前後を維持している。浜大津駅近くの好立地を生かし、京都の観光客を呼び込める上、客室の全百七十一室が琵琶湖に面している眺めの良さも評価されている。県内利用もよく、30%を占める。ホテルの会員組織は約七万人のうち、三万四千人が県内で、冬場のオフシーズン対策などに寄与してもらっている」

 −旅行企画の充実も進めている。

 「ソフト面を強化することで、ホテルの質の高さや滋賀県ならではの個性が打ち出せる。二〇〇四年にはホテルとして旅行業資格を取り、隠れた見どころや自然を巡る少人数ツアーを年四回催し、満席が増えてきた。写真家の今森光彦さんと組んで田んぼ体験をする『里山塾』もすでに五年目に入った。十周年の節目になるが、大型改装などのハード改善より、接客も含めたソフト向上に力を注ぎたい」

 −レストランでは「地産地消」に取り組んでいる。

 「高島市などの棚田で作るコメは昨年度に十七トンを提供した。県内の食材によるメニュー『里山の食彩』は今夏向けに琵琶湖のアユ、草津市の植物アオバナを取り入れた一品を用意し、郷土料理を楽しめるようにする。これらを通じて、四月に滋賀経済同友会の滋賀LOHAS(ロハス)大賞のベストプラクティス賞を頂いたほか、京阪グループが大阪市内で開業するホテルのレストラン運営を受託することも決まった。売り上げはレストランの受託などを含めて、一一年度にこれまでの一・五倍の六十億円を目指したい」

 −源氏物語千年紀など大津観光が脚光を浴びています。

 「観光団体『大津・琵琶湖観光客誘致委員会』の委員長も務めるが、民間主導で連携し、まちづくり活動を強化したい。ただ、方向性としては、アミューズメント的な観光施設を開発するより、琵琶湖を中心とした自然や暮らしの文化、祭りなど今ある資産を生かしつつ、奇をてらわず清廉に取り組みたい」

■おだ・おさむ 立命館大卒。1971年に琵琶湖ホテル入社。取締役、常務を経て、2006年6月から社長兼総支配人。大津商工会議所常議員、びわこビジターズビューロー理事なども兼ねる。大津市出身。60歳。

[2008年5月11日掲載]