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段ボールの可能性追求

レンゴー新京都事業所 長岡京市勝竜寺
1個の大きさに切断された段ボールシートが流れるライン(長岡市勝竜寺・レンゴー新京都事業所)
1個の大きさに切断された段ボールシートが流れるライン(長岡京市勝竜寺・レンゴー新京都事業所)

 物流を支える段ボールを生産している。段ボールは、軽くて丈夫、安価な上に再利用できるため環境にも優しいとあって、製品の包装、運搬に欠かせない。国内ではレンゴーの創業者、井上貞治郎が1909(明治42)年に初めて事業化した。近年は多彩な印刷や加工を施し、広告宣伝の媒体や商品の陳列棚などとしても活躍している。事業所の中には商品化の企画開発や営業の機能もあり、段ボールの可能性を日々追求している。

 段ボールのシートは、表と裏の紙が波状の中芯を挟む構造になっている。全長約130メートルの大型装置「コルゲータ」で3枚の紙を貼り合わせる。中芯をギアに巻き込むことで波状の形にして、部分的にのりを付けて表と裏の紙を両面から重ね、温度が約180度の装置内を最速で毎分約400メートルのスピードで通す。最後は用途に合った大きさにカットしてから排出する。

 段ボールケースの生産量は1日平均25万平方メートルに達する。月産能力は1千万平方メートルで国内最大水準という。

 貼り合わせた無地のシートに商品名や社名などを印刷する。折りたたみやすくするため溝を切り、折り目などを付けて仕上げる。大型の産業用ロボットがアームを使い、完成したシートの束を次々と積み上げる。

 厚さは0・9~8ミリの8種類で、世界標準品や自社開発品もとりそろえる。テレビや冷蔵庫などの大型家電から、清酒やビールなどの飲料品まで多彩な用途別に使い分ける。京都府や大阪府、奈良県などに広がる取引先の工場に供給している。

 段ボール市場は通販需要の拡大などからここ数年、前年比1%程度の成長が続いている。事業所内には、よりきめ細かなオフセット印刷ができる紙器工場も併設し、多様な梱包(こんぽう)の需要に対応する体制を整えている。

 大木正秋所長は「紙器生産や印刷機能も併せ持つ特徴を生かせば、さらに事業を広げるチャンスはある。現状に甘んじることなく、イノベーション(革新)を重ねていきたい」と話している。

メモ

レンゴーの段ボール。用途に合わせた厚みや構造、印刷が特徴で、国内シェア首位を走る
レンゴーの段ボール。用途に合わせた厚みや構造、印刷が特徴で、国内シェア首位を走る

 レンゴー新京都事業所 1975年段ボール工場として開設。2008年機能再編で紙器生産も開始。敷地面積5万1700平方メートル。従業員約230人。07年に屋上に設置した太陽光発電システムの発電能力は年間37万キロワット時で、工場全体の電力使用量の約1カ月分に相当する。

【2016年03月28日掲載】