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草津特産の野菜「愛彩菜」

PR結実、徐々に需要拡大
ほどよい辛みが特徴の「愛彩菜」。カルシウムやカロテンも豊富とされる(草津市北山田町)
ほどよい辛みが特徴の「愛彩菜」。カルシウムやカロテンも豊富とされる(草津市北山田町)
「愛彩菜」を使った弁当を販売するセブン-イレブンのスタッフら(草津市役所)
「愛彩菜」を使った弁当を販売するセブン-イレブンのスタッフら(草津市役所)

 草津市で栽培されているわさび菜の一種「愛彩菜(あいさいな)」がじわじわと注目を集めている。特産品化を目指して生産が始まり10年を迎えた今年は草津ブランドに認証され、コンビニ大手とのコラボ商品も販売。徐々に需要が広がる一方、調理法などのPRはまだまだで、生産者たちは「草津を代表する野菜にしたい」と挑戦を続けている。

 同市北山田町のビニールハウスに足を踏み入れると、青々とした愛彩菜が一面を埋める。市野菜出荷連絡協議会愛彩菜部会の中島春樹会長(63)は「サラダにしてもいいし、天ぷらもおいしい。鍋ならしゃぶしゃぶ感覚で食べられる万能野菜です」と魅力を話す。

 北山田地区は近畿最大級とされる約2200棟のハウスが並ぶ野菜の一大産地。愛彩菜は2006年に生産が始まり、12年に商標登録した。現在は6軒の農家が育てている。年間の出荷量は約15トンで、初年度の5倍以上に増えた。

 広く知ってもらおうと、JA草津市は愛彩菜のほどよい辛みを生かしたドレッシングやあめ、ふりかけなど加工品を次々と販売してきた。新たにマヨネーズを開発する動きもある。最近ではそば店や焼き肉店など愛彩菜を使う県内の飲食店も増え、大阪の漬物店による商品も生まれた。

 さらに追い風が吹いたのは今年1月。特産品のアオバナなど5品目とともに初めて草津ブランドに認証された。7月にコンビニ大手「セブン-イレブン・ジャパン」が愛彩菜を使ったおにぎりを期間限定で発売すると、再販になるほどの人気ぶり。11月22日からは草津、大津、高島の3市62店舗で新商品の弁当「炙(あぶ)り焼さばと愛彩菜の御飯」を販売(12月上旬まで)している。

 「今後の課題は、食べ方をどう提案していくか」と関係者は口をそろえる。消費者に愛彩菜をより身近に感じてもらうには、手軽においしく調理できる方法を伝えていく必要がある。過去にはレシピ集を作って焼きうどんや豆乳クリームスパゲティなどを紹介したが、「まだまだ周知が足りない」と中島会長。来年からは出荷用の袋をリニューアルし、調理法を分かりやすく記載するという。

 当初、愛彩菜は「紅(べに)彩菜」(紫水菜)と「潮(しお)彩菜」(アイスプラント)とともに「三彩菜」として売り出すはずだった。だが、紅彩菜と潮彩菜は色合いの出し方など栽培がやや難しく、手掛ける農家はわずか1、2軒にとどまっている。「三彩菜」の名で販売促進につなげられるかは未知数だが、JA草津市は「勢いのある愛彩菜とともに、紅彩菜と潮彩菜の灯も絶やさないようにしたい。野菜を通して草津の魅力を発信していければ」と話している。

【2016年12月04日掲載】