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農業女子プロジェクト

新規就農者をサポート
しが農業女子プロジェクトのメンバー。池永副知事(前列中央)を囲み、意見交換した=5月19日、大津市・県庁
しが農業女子プロジェクトのメンバー。池永副知事(前列中央)を囲み、意見交換した=5月19日、大津市・県庁

 滋賀県内で農業を営む女性たちが、栽培技術の向上や商品開発で協力しようと、「しが農業女子100人プロジェクト」をつくって活動している。農業とは無縁の世界から転職した人たちが多く、各自が経営スタイルを探りながら、後に続いて就農する女性が増えるようにと汗を流している。

 同プロジェクトは、以前から個人的につながりを持っていた30~50代の7人で昨年12月から始めた。農薬を使わない方法など、小規模ながらそれぞれがこだわりを持って米や野菜を作り、プロジェクトとして東京でのイベントへの出店などに取り組んでいる。

 メンバーは5月19日、県庁で池永肇恵副知事と意見交換した。伝統野菜「弥平とうがらし」を栽培する三峰教代さん=湖南市=、野菜栽培と弁当販売に取り組む渡辺維子さん=守山市=らが「研修してほしいと求められるが自分たちに時間的な余裕がない」「安定経営のための相談窓口がない。ガイドブックを作りたい」などと県に協力を求めた。

 農業女子プロジェクトは農林水産省が推進し、全国各地のグループが企業との商品開発を手がけている。滋賀ではメンバーが就農時に土地の確保や技術の習得、販路拡大で苦労した経験から、意欲のある人の支援に重点を置く。

 近江八幡市で米や野菜を栽培する廣部里美さんは、不動産会社を辞めて農業を始めようと県の出先機関へ相談に出向いた際、「土地と機械、設備を持ち、経営を成り立たせる『型』について説明された。求めている有機農業の専門家はいなかった」と痛感し、自ら指導者を探した。県の調査では毎年100人前後の新規就農者がいるが、女性は15人ほど。法人や家族の一員でなく、自ら経営者となるケースはほんの一握りだ。

 不安定な収入に苦心しながらも、メンバーは「以前の仕事と違ってやりがいが大きい」「1から10まで自分で野菜を作る安心感、達成感がある」と感じている。三峰さんは「ビジネスとして女性が経営しているという側面を打ち出せるよう、少しのサポートがあれば農業が続けられるという人のためにネットワークを広げたい」と意気込んでいる。

【2016年06月19日掲載】