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外国人旅行者の個人ガイドをする「悠ツアー」代表 森聖太さん

信楽や川端、外国人が憧れ
「滋賀は日本の精神文化の原点を体感してもらえる」と語る悠ツアーの森代表(大津市日吉台)
「滋賀は日本の精神文化の原点を体感してもらえる」と語る悠ツアーの森代表(大津市日吉台)

 外国人観光客の旅行形態が団体旅行から個人旅行に移りつつある。滋賀県内で個人ガイドを行う大津市日吉台の「悠ツアー」代表、森聖太さん(41)に、欧米を中心とする旅行者は滋賀のどこに魅力を感じているのかを聞いた。

 -どんな仕事を。
 「2012年から、インターネットで誘客している。昨年は30組ほどを案内し、増加傾向にある。大半が米国やオーストラリアからで、ほとんどは個人旅行者。何度も日本を訪れ、有名な観光地は一通り見て、より生の暮らしを知りたいと感じているようだ」

 -滋賀のどこに興味を。
 「ネットでは、信楽、MIHO MUSEUM(ミホ・ミュージアム、甲賀市信楽町)や針江(高島市)などで検索して訪れる人が多い。驚いたが、『滋賀』という言葉は誰も知らず、『琵琶湖』も知らないかもしれない」

 -延暦寺や彦根城ではないのか。
 「ガイドブックでも紹介され、自分達で行けてしまうのかも。去年、一番多かった信楽は外国人に対するブランドイメージが強い。『本物を作る伝統の街』という憧れがある。作家の工房を巡り、土にまみれて黙々と作業する姿や、雰囲気のある街並みを歩くことも喜ばれる。タヌキは求めるイメージとは違うようだ」

 -昨年は針江が人気と。
 「英国のテレビ番組で川端(かばた)を見たという人が多かった。自然と暮らしの調和に憧れがあるのではないか。水を暮らしに取り入れつつ守っていることが珍しいと言われる。下流が困るから上流がきれいに水を使うという気配りは自分の国にはなく、規制があるからきれいに使うと。水は世界中にあるが、ソフト面の文化や哲学を印象深く思ってもらえているようだ」

 -滋賀が世界に売り出せる魅力とは。
 「滋賀は水を中心とした自然と人の暮らしの博物館的な場所ではないか。外国人がよく日本人の勤勉さや礼儀正しさを褒めてくれるが、川端などは、便利さだけを追求せず、他人を思いやる気持ちなど日本の精神文化の原点を体感してもらえる所ではないかと思う。説明すればすごいと思ってもらえる所はたくさんある。時間はかかるが、フランスのシャンパーニュ地方ではシャンパンを飲んでみたくなるように、滋賀の水が特別に見えるようなブランドを育てることが売りになるのではないか」

 -受け入れに課題は。
 「家に上げてもらえるだけでかなり喜ばれるが、急に乗り込むのは難しい。大津市の仰木の棚田、近江八幡市の沖島や西の湖のほか、修験道の里や雪国の暮らしなど魅力的なストーリーがつくれる場所は豊富なので協力を得たい。信楽では作品を買おうにもカードが使えず残念なこともあった。酒も一升瓶ではなく小瓶があれば、という人もいた。滋賀は質のよい富裕層に繰り返し訪れてもらえる可能性がある。素人っぽさを残しつつ、少しずつ対応を検討してほしい」

【2017年01月15日掲載】