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福井に大規模野菜工場 “無菌”で生産 安全性に注目

京のフェアリーエンジェル
京都北山で野菜を栽培する地下工場。福井県で新工場を建設して生産拡大を図る(京都市北区・フェアリーエンジェル)
 海外産食品の安全性が懸念される中、無菌のクリーンルームで植物を育てる野菜工場に注目が集まっている。野菜生産販売のフェアリーエンジェル(京都市北区)は、安全な野菜の需要増加に対応して福井県美浜町に大規模な野菜工場の新設を決めた。日本政策投資銀行から10億円の融資を受けて建設資金を調達し、工場が完成する来年3月からレタスなど1日に約8000株の生産を目指す。

政投銀も期待 破格の10億円融資

 新設の野菜工場「エンジェルファーム福井」は、2階建て延べ床面積約3700平方メートルあり、「業界では最大級」(フェアリーエンジェル)という。総事業費は約11億5000万円。レタス、サンチュ、ルッコラ、ミズナなど7種類の葉物野菜を生産する。
 野菜工場は、クリーンルーム内で蛍光灯の人工光を使って野菜を栽培する施設。ほぼ無菌状態の室内で養分の多い液肥を使って水耕栽培するため、完全無農薬で安全性が高く、洗わずに食べられ、高栄養価の野菜ができるのが特徴だ。台風など災害の影響も受けずに価格が変動せず、年間通して計画生産できる利点もある。
 食品の安全性を求める消費者が増えるなか、同社は大丸や高島屋など大手百貨店にも出荷するなど生産が増加。今後の需要の高まりも見越し、北山の地下工場が手狭になったため、現在の約40倍の生産能力を持つ新工場の建設を決めた。
 政投銀はベンチャー企業には破格の10億円の融資を実行するなど、食糧難に向けた公共性の高い事業に期待が大きい。江本謙次社長は「アグリビジネスで新しい市場を開拓するために挑戦する。現在、根菜類の栽培も研究しており、将来的に京野菜も生産したい」と話している。

【2007年8月23日掲載】