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人材定着へ改善策提案

パシオ(京都市中京区烏丸通夷川上ル)
企業イメージと合うデザインや色を話し合いながら求人ホームぺージを製作する(京都市中京区・パシオ)

 新入社員が夢や期待を胸に奔走する季節。だが、現実との差に悩みも多く、会社を辞めていくこともある。企業としては時間と費用をかけて育てた人材を失うことは避けたい。そんな離職対策の支援サービスをパシオ(京都市中京区)は企業に提供している。

 パシオは、離職理由の統計などを基に考案した分析手法で、人事評価や職場の人間関係といった企業内の問題点を洗い出し、改善策を提案する。求人に応募した人の「辞める可能性」を応募者の診断テストや企業分析から調べ、採用時の企業と応募者のミスマッチを防ぐ。藤井哲也社長(29)は「少子化や各社の求人増から、若い人材を逃したくないという企業ニーズは高まっている」と話す。

 パシオは、藤井社長が人材派遣会社に二年間勤務後、二〇〇三年に設立した。求人ホームページの製作など企業の採用支援に加え、採用シーズン以外にも安定した収益が得られる人材定着事業に力を入れ、〇八年六月期は三千万円以上の売り上げで初の黒字化を見込む。

 藤井社長は大学生のころ、起業を決意した。社会貢献への関心が高く、「自分で設立した会社の事業を通じ、何かできることがあるはず」と考えた。派遣会社時代、二十、三十代の派遣社員がつまらなさそうに仕事したり、すぐに辞めてしまう姿を見た経験から、若者が意欲と能力を高めながら働ける環境支援を事業にした。

 今春の新入社員は、好調な業績に支えられた企業が求人意欲を高める中で会社選びができた。「仕事について深く考えず就職した人は、景気が悪化すると会社で苦労し、離職率が高まるのでは」と懸念する。

 一方、「雇用環境の改善で若者の起業に対する意欲が落ちている」。一度、非正規社員やフリーターになると正社員に戻りにくい現状もある。「それでも起業は良い人生経験」と言い切る。社員五人で自身も多忙な日々だが、起業を目指す人の相談にはなるべく応じるという。

藤井哲也(ふじい・てつや)氏
 立命館大法学部卒。2001年4月に人材派遣会社に入社し、法人営業などを担当。03年9月にパシオ設立。大津市出身。

【2008.04.28掲載】