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「意味認識」で最適情報

スポットライト(草津市野路東)
5月初旬に移転したばかりの新しい京都本社。30歳前後の若い従業員が和気あいあいとパソコンに向かう(京都市中京区)

 インターネットの検索技術は日々進化している。最大手の米グーグルが圧倒的シェアを誇るが、独自の手法で利用者がより知りたい答えを見つけ、最適な形で配信する仕組みを開発した。

 「目指しているのは情報ナビゲーション。これからはグーグルのような全文検索ではなく、あくまでも人の考え方を中心にした技術やサービスが必要になる」と山根弘照社長(37)は指摘する。

 立命館大情報理工学部の福本淳一教授と共同研究を進めている。技術のカギを握るのは、自然言語解析と意味認識。自然言語解析で文章や単語を読み取ったうえで、意味認識によって単語の意味を「企業名」や「地名」などとして理解する。意味認識は対象となる単語の検索用途の統計値を加味するほか、店舗ガイドや地図案内など専用サイトの検索機能も使い、人が行う情報処理に近づける。

 例えば「草津市役所」と「電話番号」を入力すると、通常の検索では単純に二つの言葉を含んだサイトを表示するが、独自技術では、意味認識で「電話番号」を目的語と判断するため、市役所の代表番号を最優先で紹介する。

 山根社長はトヨタ自動車が経営する職業訓練校で学び、金型メーカーでソフトウエア開発に携わった。転職先のIT企業で「携帯電話で自由に情報を探せるようにしたい」と思い立ち、三十四歳の時、立命館大びわこ・くさつキャンパスの起業支援施設に入居した。

 起業から四年足らずで取引先は出版社や地方自治体、カラオケ店など約四十件に広がった。電子地図との連動で運転中に近くの店舗情報を配信するカーナビゲーションソフトの開発も手がけ、今年八月期の売上高は約四千万円、来年八月期は一億円超を見込む。五月から京都御苑南に京都本社(京都市中京区)を構えた。従業員は現在十五人だが、今後も積極採用する方針。山根社長は「うちの特徴は技術を活用したコンサルティング力。お客さんの裏方に徹したい」と話し、近い将来の株式公開を夢見ている。

山根弘照(やまね・ひろあき)氏
 立命館大客員研究員。ITサービス会社に勤務後、2004年10月にモバイルソフト(現スポットライト)設立。京丹後市出身。

【2008.05.26掲載】