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意外な二者の縁組企画

クリップ(京都市中京区小川通二条下ル)
現在は契約スタッフ5人とプロジェクトを進める。自宅のほか東京にも事務所がある(京都市中京区)

 京友禅のアロハシャツ、和傘の照明器、イタリアの家具メーカーと京都の布団メーカーによる昼寝用マットの企画−。こんな異業種や意外な人と文化を組み合わせる「縁組ビジネス」を展開する。

 「クリップ」は、マーケティングやプロモーション、ブランド戦略を担う総合企画会社だ。島田昭彦社長(44)は伝統とモダンの融合、ビジネスの橋渡しが仕事。「職人だけの力でブランドイメージを高めるのは難しく、二人三脚で京都の有形無形の文化を世界に発信したい」と語る。社名は「人と人、モノとモノ、文化と文化を結びつける」との意味を込め、文具からとった。

 まだ社長兼社員の小所帯で営業活動もほとんどしていないが、口コミやインターネットを介して顧客は国内外に広がる。最近も、サントリーが茶製造販売・福寿園(木津川市)とタイアップした緑茶飲料をテーマとするカフェの立地戦略に携わった。オープン場所は京都市中京区三条通の和装製造卸・千總本社ビル一階で「京の老舗同士をクリップした」。首都圏では第二東京タワー(東京都墨田区)建設プロジェクトにも参画。京の風呂敷に目を付けたフランスのルイ・ヴィトンなど海外からの問い合わせも舞い込み始めた。

 島田社長は紋章工芸師の家に生まれ、雑誌取材で外国を駆け回るうちに郷土に目覚めた。編集者で培った人脈や知恵を駆使して京都発イベントなどを仕掛けてきたが「アイデアを貸して」との依頼が増え、三年前に法人化した。

 昨年三月期の売上高は約二千万円と設立初年度から倍増したが、経営規模より専門性の高いグローバルな仕事を追求するという。東京六本木にも事務所を置き、プロジェクトや業務内容ごとにITや画像クリエーターなど専門の契約スタッフを雇う。「相談はものづくりからまちづくりまで多岐にわたる。海外進出計画も多く、ニーズに応えるため、バイリンガル採用などスタッフも強化したい」と島田社長。経済産業省の地域中小企業サポーターとして京都活性化にも奔走する。

島田昭彦(しまだ・あきひこ)氏
 立教大卒。1991年から10年間、スポーツ誌「Number」編集者。2005年6月にクリップ設立。京都市中京区出身。

【2008.06.23掲載】