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部分換気で空調ロス減

ウインドナビ(京都市左京区岩倉)
調理台付近から天井への気流で、熱や臭い、煙を効率良く排出するウインドナビの換気設備(京都市中京区)

 光熱費の節約や省エネの観点から抑えたい空調のロス。特に飲食店などの調理場は、大量の換気のため、空調で適温にした空気まで排出される。だが、換気を抑えると調理に伴う熱や臭い、煙がこもる。この課題を解決するため、換気設備の企画開発、販売のウインドナビ(京都市左京区)が手掛ける調理場向け換気システムは開発された。

 同社の換気システムは、調理台から天井の排気口に向けて気流を起こし、熱や臭いを効率良く排出する仕組み。さらに外気を取り入れる給気装置の設置場所を工夫することで、調理台付近の空気だけを換気し、余分な排気を防ぐ「部分換気」が可能になるという。

 四年前に発売した大規模施設向けシステムは、これまでに特別養護老人ホームなど四施設に導入された。「電気代を35%削減した例もある。調理場内の空調が効くようになり、調理人の職場環境も改善される」と金谷嘉明社長(58)は説明する。

 今年五月には、調理台付近と天井に分かれている装置を一体化した換気設備を発売。設置工事が容易で、飲食店など小規模店舗での利用を想定する。「客席と調理場が近いオープンキッチンの店が増え、換気の重要性が増している」と金谷社長。二〇〇七年九月期に約一千万円だった売上高を「一体型の投入で今後引き上げる」という。

空調などの建築設備設計の経験が長い金谷社長は、京都工芸繊維大と共同研究した部分換気システムの製品化や販売に向け、ウインドナビの前身「AirNavi環境計画」を五年前に設立。製造を外部委託して設備投資の負担を減らす一方、システムの効果を示す実績の蓄積に努め、二年前には近畿電力利用合理化委員会京都支部から表彰を受けた。

 今年二月、京都市が環境分野で先進事業を手掛ける企業や団体を支援する「京の環境みらい創生事業」の助成対象にも選ばれた。金谷社長は「部分換気システムが省エネ技術として認められつつあり、環境への優しさをアピールしたい」と力を込める。

金谷嘉明(かなや・よしあき)氏
 京都工芸繊維大卒。建築設備の会社勤務や設計事務所経営などを経て、2003年10月にAirNavi環境計画(現ウインドナビ)を設立した。京都市左京区出身。

【2008.09.22掲載】