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企業運動会で一体感を

コミューン(京都市中京区)
顧客に企業運動会のノウハウを説明する濱中社長(京都市中京区)

 社員旅行や社内運動会、職場交流会といった社内イベントが見直されている。成果主義や労働形態の多様化などでぎすぎすした社内の人間関係に風を通し、日本企業の家族主義的な一体感を取り戻そうという動きだ。

 そこに目を付け、「国内初」の企業運動会支援会社を掲げ、二〇〇六年十月に濱中倫秀社長(33)が個人で設立した。会場の確保から道具の貸し出し、当日の運営まで支援する。これまで手掛けた三件のほか、問い合わせは多く、「人間関係にドライとされる若い社員が企画するため、今後の需要は高い」とみる。企業イベントから結婚式の二次会企画へと業容を広げている。

 事業立ち上げのきっかけは、地域の運動会に参加した経験だった。〇二年に大津市瀬田に引っ越し、三十三町内会対抗の運動会に誘われた。「生来の出たがり」で七種目に出場。翌年には地元町内会の優勝に貢献した。地域の体育協会理事に招かれ、運営にかかわるようになって気づいた。同じゼッケン、ユニホームを身につけた参加者が日ごろのしがらみから解放されて汗を流し、それまで見知らぬ人同士が打ち上げに喜々とする。当時、会社を辞め、コンサルティング業を営みながら「企業を元気にできる事業」を探しており、「これだと思った」。

 当初は実績がないだけに、なかなか受注にこぎ着けなかったが、二年目に初受注。東京の業界新聞社が「社内に活気がない」と十五年ぶりに社内運動会を復活させる依頼だった。「借り物レースで『社長』を選んだ若手社員が客席から手を引くと社長が転んで会場は大爆笑。普段ではありえない職場交流が実現できた」

 運動会と並行して展開している結婚式の二次会プロデュース事業が好調で、特に披露宴と二次会の中間的な「一・五次会」が伸びており、年商は一千万円を超えた。でも、思い入れは企業運動会の方が強い。「今後は運営ノウハウの提供に絞り、もっとコストを抑え、一気にビジネスとして伸ばしていきたい」と話す。

濱中倫秀(はまなか・りんしゅう)社長
 東北学院大経済学部卒。京都市の学習塾会社で採用などを担当した後、コンサルティング業を経て「コミューン」を設立。京都市出身。

【2009.01.26掲載】