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高周波治療器 用途広げ

テクノ(京都府精華町光台)
歯科や神経外科などに用途が広がっている高周波治療器(京都府精華町・テクノ)

 シリコン製のパッドをひざ周辺の三カ所に取り付ける。スイッチが入ると、ひざの内部がビリビリと震える。電気信号の刺激はひざの表面でなく、奥深くまで届くのが分かる。

 高周波と低周波を合成した混合波(〇・五−五〇万ヘルツ)を出す医療用電気治療器で、厚生労働省の認可を受けて二〇〇三年五月に発売以来、累計千三百台を出荷した。鶴巻正栄社長(64)は「従来のマッサージ用から整形外科や歯科など医療向けに活用範囲が広がり、販売が加速してきた」と手応えを示す。

 マッサージ用などの一般的な家庭用治療器は低周波を使っているため刺激が届くのは皮膚の下数ミリにとどまる。だが高周波の電気信号も加えると、深さ約十五センチまで伝わる。「神経を刺激し、血管をもむような効き目があり、まひしていた神経の回復や血流の促進などに効果がある」(鶴巻社長)という。

 例えば、エコノミークラス症候群につながる血栓の予防への活用だ。人工関節手術などの後、長期間足を固定することから血が固まるおそれがあるが、高周波治療器を使っていれば高い確率で未然に防止でき、歯科のインプラント手術で切断した神経も多くが再生するという。

 鶴巻社長は、家電メーカーで生産管理を手掛けていた経験を生かし、二〇〇〇年に東大阪市でタイムレコーダーの製造会社を設立、独立した。新潟県のメーカーと特許を共同保有している混合波の可能性に着目し、スポーツ選手や寝たきりの人たちを対象に効果の検証を続け、周波数などの改良を重ねた。

 医療機器を扱うため産学官連携の重要性を感じ、〇三年にけいはんなプラザ・ラボ棟に移転した。翌年、新たに専業の「テクノ」を設立した。工場を持たない開発型企業で、社員は四人。複数の総合病院と共同研究中で、昨年十月には府から中小企業応援条例に基づく認定を受けた。来年一月期の売上高は初の一億円台を計画し、「信頼される製品を京都から発信したい」と意気込んでいる。

鶴巻正栄(つるまき・まさえい)社長
 1944年生まれ。産業能率大卒。会社員を経て2000年に創業。日本理学療法器材工業会会員。新潟県出身。

【2009.02.23掲載】