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独自素材で紫外線測定

ALGAN(京都市下京区)
産学連携で携帯型の紫外線センサーを開発し、幅広い用途で販路開拓を目指している(京都市西京区・京大桂ベンチャープラザ)

 紫外線の光量を測るセンサーを手がける。「肌の大敵」というイメージが強い紫外線だが、工業分野では半導体製造や印刷インクの硬化、食品の殺菌に用いられる。人羅俊実社長(33)は「紫外線センサーも化粧品開発から工業用ランプの照度検査まで使い道は幅広い」と説明する。

 製品は携帯型の測定器や照度計、顧客の要望に応じた特注の計測システムなど。基幹部品に独自の半導体材料を用いるのが特徴だ。

 その材料は社名の由来である窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)。特定の波長以上の光に反応しにくく、従来のシリコン製センサーのようにフィルターをつける必要がない。紫外線に対する耐性も高く、「装置が小型で劣化しにくい」(人羅社長)。センサーは2006年の発売以来、化粧品会社や研究機関を中心に売れ、09年6月期は売上高約1500万円をあげた。

 人羅社長はもともと半導体業界とは無縁だった。大学院でバイオを研究、就職は東京の介護施設運営会社だった。ただ、「いつかは起業したい気持ちが強かった」と振り返る。

 退職後、同志社大の起業家育成プログラムに参加し、教べんを取っていた半導体研究者の山口栄一教授や大手メーカーに勤める社会人受講生らと交流した。山口教授らの間で紫外線センサーの事業化構想が持ち上がり、「自分にやらせてほしい」と社長を志願した。意気込みを買った山口教授や受講生らから資金支援を受け、05年6月に会社を設立した。

 半導体の知識を一から学び、研究開発は山口教授の人脈で京都大や文部科学省の産学連携プロジェクト「京都ナノテククラスター」などの支援を受けた。生産を任せる外注先も探し出し、センサーの製品化にこぎ着けた。

 社員6人のほとんどが非常勤。財務から営業までこなす日々だが、「今が正念場。さらに飛躍してプロの社長になる」と前を見据える。

人羅俊実(ひとら・としみ)社長

 京都大卒業後、奈良先端科学技術大学院大でバイオ技術を研究。2005年に会社設立、社長に就任。兵庫県西宮市出身。

【2009.08.24掲載】