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店頭試飲で魅力をPR

紅茶専門店京都セレクトショップ(京都市下京区)
ダージリンはじめ定番品やフレーバーティーなど幅広い種類の紅茶をそろえた蛸薬師柳馬場店。飲み比べてじっくり選ぶ常連客も多い(京都市中京区)

 紅茶専門のインターネット販売を始めて12年。通販サイトには、ネパールやインド、中国など各産地から輸入した約150種の紅茶をそろえる。中野光崇代表(33)は「季節ごとに100種近くのサンプルを取り寄せ、5種ぐらいを厳選して薦めています」と、豊富な品ぞろえと良質な茶葉の提供にこだわる。

 紅茶の味は、葉の種類や鮮度、いれ方だけでなく、生産される季節や天候によって変わる。「代表的なダージリンでも、産地や採れた場所の標高によっても味や香りはさまざま。ワインのように収穫年ごとの出来栄えもある」という。

 中野代表は、大学在学中にアジアでの放浪旅行を繰り返す中、「旅費を稼ぎ出すため」に紅茶の通販を始めた。起業後、10年にわたって各国を歩いて回り、優良な仕入れ先の農園や卸業者を開拓。検索サイトの上位に表示されるようホームページを工夫したり、銘柄別のレシピや仕入れ先の商人や農園主との出会いなどの情報発信が評判となり、受注を伸ばした。

 現在は月間約2千件の注文があり、7〜8割の顧客がリピーターという。価格は売れ筋の50グラム入りで700〜2200円が中心で、客単価は5千円近い。仕入れた茶葉は京都リサーチパーク(京都市下京区)内の事務所で従業員が検品の上、計量してパック詰めして発送する。

 軌道に乗り始めた3年目から売り上げは毎年20%前後の伸びを続け、06年には中京区に小売店を初出店した。「顧客の反応や要望を直接つかみ仕入れに生かす」ためだ。店内では最近注力しているフレーバーティーを含め、ほぼ全商品の試飲サービスを行う。2009年の売上高は約1億2千万円に上り、小売店2店が2割を占める。

 紅茶はコーヒーのように専門店が少なく、まだ身近でないイメージもある。中野代表は「事業を始めてから魅力が分かった。愛好家以外にも奥が深い紅茶の世界を広げたい」と意気込む。国内の紅茶市場は販売大手でも年商60億円余りといい、「首位を目指して品質、サービスを一層追求する」

中野光崇(なかの・みつたか)代表

 立命館大在学中の1998年にネット通販の紅茶専門店を開業。原産地からの直輸入品を中心に約150種を取り扱い、京都市内に小売店2店も構える。山口県出身。

【2010.03.29掲載】