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木材由来の資源 普及へ

Hibana(京都市上京区)
Hibanaが扱うペレットストーブの見本(京都市中京区・京都ペレット町家ヒノコ)

 間伐材など森林由来の資源「森林バイオマス」の普及へ、森にかかわる活動のコンサルタントや、炭、まきなどの物販を行っている。創業から4年と日は浅いが環境問題への関心の高まりとともに活動範囲を広げつつある。

 松田直子社長は起業前の2001年、京都府の木質バイオマスに関する研究会に参加し、京都市北区雲ケ畑を全戸調査した。全88戸の半数でまきが主に風呂の燃料に使われていた。驚くとともに、「せっかくの調査結果を机上の空論に終わらせたくない」と翌年にNPOを設立。まきや炭の利用法を紹介したり教材を作ってきた。事業として成立させたいと、06年に会社を設立した。

 株式会社化することで民間企業から依頼が増加。企業が行う森林整備のコンサルタントや事業支援を手がける。常に意識しているのは「森をきれいにするだけでなく、利用まで考えること」。南丹市の芦生原生林などの原生林を除き、日本の山は人の手を入れてこそ維持できるという。まきを割ったりしちりんを使うなど、森で楽しみながら学べる企画を提案する。

 物販では、間伐材の端材などを圧縮した固形燃料(ペレット)をくべるペレットストーブなどを扱う。まだあまり知られていないが、煙がほとんど出ずマンションにも使える。まきは街路樹の剪定(せんてい)枝や林道整備で出た間伐材を仕入れて販売する。最近はまきを使う飲食店が増えているといい、松田社長は「町中にある会社の利点を生かし暮らしに入り込みたい」と話す。

 森林バイオマスを進める理由は地球温暖化防止のため。木は燃やす時に二酸化炭素(CO2)を排出するが、成長過程でCO2を吸収して炭素を固定化するため、燃やしても大気中のCO2は増えない。一方、石油や石炭は大気中のCO2を増やす。「1990年代に比べると減ったが、森から木を切って燃やすことが悪いという認識もまだ残っている」と残念がる。今後は、山にかかわる人に利益がうまく循環するよう、物販を強化する方針だ。

松田直子(まつだ・なおこ)社長

 立命館大大学院修了。院生時代に木質バイオマスを研究していたことから、会社勤めを経て2002年にNPO「薪(しん)く炭(たん)くKYOTO」を設立。06年に起業した。愛媛県出身。34歳。

【2010.07.26掲載】