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携帯通販サイト 手軽に

ロックウェーブ(大津市におの浜)
携帯電話の通販サイト向けにシステムを開発するスタッフたち(大津市・ロックウェーブ本社)

 今や生活と切り離せない携帯電話。最近は、それらのモバイル機器を使った通信販売が市場を広げている。場所が限定されずいつでもどこでも商品を買えるのが魅力で、ロックウェーブは携帯電話で通販ができるモバイルEC(電子商取引)システムを企業に提供し、急成長している。

 主力商品の「aiship(アイシップ)」は、ネットワーク経由で利用するASP形式のECシステム。初期費用2万1千円、月額9800円の低コストでモバイル通販サイトを構築できる。簡単に携帯通販サイトを作れる使い勝手の良さから利用は伸び、現在では全国1200社が採用している。

 現在はパソコン用の通販サイトや大手通販モールに出品するだけで満足する小売店が多く、携帯電話の通販サイトを作る店舗はまだ少ない。だが、EC市場約6兆円の中でモバイル分野は1・2兆円と拡大。地元でも、ふなずしや近江牛など多くの小売店が携帯通販で売り上げを伸ばしている。

 岩波裕之社長は「例えば、今の若者は引っ越し後、パソコンが通信できない段階でカーテンを探すのに携帯通販サイトを利用する。売り手側が思う以上に、消費者は携帯電話から物を買っている」と分析する。

 最近は、多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や、ネットでつぶやきを公開するミニブログ「ツイッター」にも対応。高機能なスマートフォン市場の普及でモバイル通販はさらに広がると予測する。

 岩波社長はトヨタ自動車やセブン−イレブン・ジャパンで4年ずつ働き、製造業と流通業の現場で生産方式や市場調査を学んだ。その経験を生かして創業した同社は、滋賀県が金融機関、ベンチャーキャピタルと設立した「滋賀ベンチャー育成ファンド」の第1号でもある。資金と時間がかかるシステム開発時に助かったといい、「今後の目標は株式上場。創業以来一緒に働いてくれているスタッフに感謝しながら実現したい」と夢を語る。

岩波裕之(いわなみ・ひろゆき)社長

 同志社大工学部卒業後、トヨタ自動車に入社。生産技術や品質管理などの現場でトヨタ生産方式を学ぶ。その後、セブン−イレブン・ジャパンを経て、立命館大学大学院でMBAを取得し、2004年にロックウェーブ設立。06年に株式会社化した。大津市出身。36歳。

【2010.08.23掲載】