京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > MyウェイMyライフ
インデックス

仕事で新たな自分発見

京都信用金庫松井山手支店長 加藤 まなみさん
京都信用金庫松井山手支店長 加藤 まなみさん
 メガバンクや地方銀行の店舗が集まる京田辺市のJR松井山手駅。京都信用金庫の松井山手支店は職員八人が全員女性で、明るい雰囲気の中てきぱきと接客にあたる。昨年九月の開店から半年で集めた預金は約九十億円。新設店では異例の好成績という。
 「数字ではなく、お客さまそれぞれに合ったおもてなしを第一に考えています。雰囲気がいいと思ってもらえる自信はあります」
 あいさつや電話応対はもちろん、整理整頓まで徹底する。「女性だけの店として期待されるハードルは高い。お客さまにかかわることは厳しく言います」。パンフレットのゆがみまで細かな目を配り、指示を出す。
 大学卒業後、一九八七年に同金庫に就職した。学生時代から映画鑑賞や読書が趣味で「どちらかといえばインドア派。とくに学生時代は引きこもりがちだった」という。入庫当初は三年ぐらいで結婚退職するつもりだった。
 実際、四年目に職場結婚し、二年後に長女を出産した。だが、すぐに辞めなかった。育児支援制度が始まり、自宅近くの支店勤務が可能になったため、仕事を続けることにした。
 さらに九七年に赴任した瀬田支店で転機が訪れた。入庫十一年目で初めて外回りの営業を担当した。「自分にできるのか」と不安を抱えながらもとにかく企業を回った。「性格はまじめで負けず嫌い」。ある取引先に「担当を男性に変えてほしい」と言われたが、あきらめず、最後は逆に気に入ってもらった。「お客さんと思いが通じた」。この経験から営業が好きになった。
 その後、人事部などを経て二〇〇五年に桃山支店長に。気がつけば女性支店長は同金庫で初めてだった。
 「働くことで知らなかった自分を見つけられる。この仕事をしていなければこんなに積極的な性格にはなっていなかったはず」
 夫と長女、二女、父母の六人暮らし。通勤に二時間かかるため、平日の家事は家族に任せ切り。だが多くの経験をすればするほど仕事が楽しくなる。「働く女性の見本にはなれませんが、いつまでも頑張っている自分でいたい」と前を見つめる。
 

かとう・まなみ 同志社大卒。1987年京都信用金庫入り。業務部、資金証券部、守山支店などをへて2007年9月から現職。趣味は読書。雑誌から小説まで幅広いが、休日は徹底的に子どもと一緒に過ごす。野洲市出身。43歳。

【2008年4月6日掲載】