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人材育成に経験生かす

京都商工会議所副会頭(大和学園名誉学園長)田中田鶴子さん
京都商工会議所副会頭(大和学園名誉学園長)田中田鶴子さん

 昨年十一月、京都商工会議所で初めてとなる女性の副会頭となった。「男女共同参画の時代なのだから肩に力を入れず、会員企業のお役に立つよう活動していく」と気負うことなく抱負を語る。
 担当は卸売商業部会や選挙制度委員会など多岐にわたるが、新設のCSR(企業の社会的責任)特別委員会にはとりわけ力が入る。「京都は伝統ある企業が多いが、のれんやブランドを守るためには法令順守や社会的責任を果たすことが重要になっている。経営に役立つヒントをまとめ、会員企業に伝えたい」
 教育界での経験を生かす分野もある。日本商工会議所の産業人材小委員会委員を務め、産業界の人材育成策について発言している。国の事業を受けて京商が五月十二日に開設する求職者支援施設「京都府地域ジョブ・カードセンター」の運営にもかかわる予定で、「フリーターなどの若者の職業能力開発が支援できる」と期待を寄せる。
 現在の長岡京市に生まれた。祖父は新神足村の村長だった中野時太郎氏、大伯父は京商の初代会頭だった中野種一郎氏で「骨身を惜しまず人の役に立とうとする血筋を引き継いでいるように思う」。
 女学校卒業後の一九五一年に通い始めたのが、京都市内に開設したばかりの大和料理学園(現ラ・キャリエールクッキングスクール)だった。講師で経営者となる田中藤一氏に出会い、結婚した。
 学園は順調に規模を拡大。夫を公私ともにサポートする立場だったが、八二年に転機が訪れる。藤一氏が五十二歳で急逝し、経営の前面に立つことになった。経営者としては時流を先取りし、洋菓子の講座を導入したり、米コーネル大と提携してホテルや旅行の専門学校を開設するなど、事業多角化を導いた。
 京商にかかわるようになったのは「多くの経営者に接して学びたい意欲があったから」。九五年から八年間にわたり女性会会長も務め、各界の専門家を講師に招いて学ぶ「会員サロン」を開設した。
 七十歳を機に学園経営の実務は二人の息子に譲ったが、女性経済人としての活動範囲はむしろ広がりを見せている。「企業活動も基本はやはり人。職業人育成を通じて得た経験を生かしたい」

たなか・たづこ 京都西山高卒。1973年から有限会社大和料理学園(現キャリエール・インターナショナル)代表取締役。82年に大和学園理事長兼学園長となり、2001年から名誉学園長。京都市教育委員長など公職も多数務める。76歳。

【2008年5月4日掲載】