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信頼糧に法令順守教育

京都銀行法務室室長代理 北村愛子さん
京都銀行法務室室長代理 北村愛子さん

 銀行業務は信頼が第一。全行員約三千人のコンプライアンス(法令順守)教育を手がけ、銀行の事業展開を縁の下から支える。三カ月に一度開くコンプライアンス委員会の事務局を受け持ち、部長の代理として役員と直接話をする機会が多い。
 「経営者の生の声を聞くとたいへん参考になる。女性への期待の強さも感じます」
 仕事の内容は、行員に配るコンプライアンス研修の資料作成から外注先と交わした契約の内容確認まで幅広い。「法律知識が必要なため、毎日が勉強」という。
 就職活動をしたのは「超氷河期」と呼ばれた厳しい時期だった。メーカーや流通なども志したが、多様な業界と関係がある金融機関に興味を持った。最終的に京銀を選んだのは「家から通え、転勤でそう遠くに行くことも少ない」という現実的な判断からだった。
 一九九七年に入行し、河原町支店に七年余り在籍した。預金から融資、外国為替へと経験を積み重ねるうち、少しずつ心境に変化が表れた。「お客さまに喜んでもらうことでだんだんやりがいが出てきた。少しずつ上司の信頼を得たと思えるようになると、仕事が楽しくなってきた」
 三条支店に勤務していた二〇〇五年に職場結婚し、翌年に長女が誕生した。出産を前に仕事を続けるかどうか真剣に考えたが、「仕事をしている時の方が、していない時よりも自分らしいと思った。子どもができて仕事に対する気持ちが整理できた」と振り返る。
 さっそく出産後一年間、育児休業を取得した。女性の育児休業はすでに社内で一般的だったため、それほどためらいはなかったが、職場の同僚たちへの感謝の気持ちは今も忘れないという。
 現職場のリスク統轄部法務室に異動したのは昨年四月。一年ぶりの職場復帰は初めての本部勤務で「転職したぐらいの大きな変化だった」。だが職場に温かく迎えられ、不安はすぐに消えた。
 二歳になる長女の子育ては自宅近くに住む両親に頼っているが、夜に少しでもふれあうため、できるだけ午後七時までに退社する。「仕事も家庭もどちらも大事」と言い切り、ワークライフバランス(仕事と家庭の調和)を実践している。

きたむら・あいこ 大阪大法学部卒。1997年京都銀行入行。河原町支店、三条支店をへて2007年から法務室。今の夢は、子どもと一緒に旅行に出かけること。大阪府高槻市出身。33歳。

【2008年6月1日掲載】