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キャリア築く手助けを

オムロンパーソネル営業企画部長 久保雅子さん
オムロンパーソネル営業企画部長 久保雅子さん

 大小の企業が乱立し、受注や人集めで厳しい競争を繰り広げる人材派遣業界。前線に立つ営業担当やコーディネーターを支援するため、営業用資料の作成や人材募集のイベント企画、派遣スタッフの研修制度づくりなどの幅広い業務をこなす。「現場の声に耳を傾け、しっかりサポートするのがわたしの仕事」と表情を引き締める。
 業務を通じて仕事と子育ての両立を目指す女性の支援にも携わってきた。その一つが二〇〇六年に、育児中の女性を対象にけいはんなプラザ(京都府精華町)で行った再就職支援事業。経済産業省の事業を活用し、OAや語学などの研修のほか、子どもの一時保育などを参加者に提供した。
 四月には龍谷大が瀬田キャンパス(大津市)で開く公開講座の受講者向けに託児サービスも始めた。秋からは自社で就業支援の講座も開く。「再就職を迷う女性の背中を押せれば」と期待する。
 原点には自身の再就職体験がある。新卒で入社した大手企業で社内結婚し、二十三歳で退職。子どもも生まれ、家事や育児に明け暮れた。「キャリア志向なんて全然なかった」
 転機は三十歳過ぎ。夫が退職して起業。安定収入を得るには働きに出ねばならなくなった。ハローワークや人材派遣会社を訪ねたが、「子どもはどうするのか」「あなたに合う仕事はない」とにべもない応対を受けた。
 町工場のアルバイトなどをこなしながらOAや経理の知識を身に着け、ようやく一九九二年、設立したばかりのオムロンパーソネルで正社員になれた。だからこそ、「育児をしながらも履歴書に書けるキャリアを重ねることが大事」と説く。
 家庭を持つ女性が望む働き方は一様でない。フルタイムで働きたい人、家庭や趣味とのバランスを取りたい人。一方の企業側は派遣スタッフでも正社員並みに働く人を求める傾向が強かったが、「最近は企業も人材が不足していて、異なる勤務時間のスタッフを組み合わせるケースや短時間勤務の人でも受け入れる場合が増えている」と声を弾ませる。
 一部企業で二重派遣などの違法行為もあり、人材派遣業界には世間から厳しい視線が注がれている。それでも「多様な働き方を実現するうえで派遣は一つの選択肢。女性が社会でキャリアを築く手助けをしていきたい」と言葉に力を込めた。

くぼ・まさこ 京都女子大卒。1992年にオムロンパーソネル入社。京都、大阪両支店長兼務を経て今年4月から現職。趣味は読書とカラオケ。大阪市出身。48歳。

【2008年6月8日掲載】