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電車でこっそり流行調査

ニッセンスタイル・レディス部販売戦略推進室長 山本久美子さん
ニッセンスタイル・レディス部販売戦略推進室長 山本久美子さん

 午前八時台のJR快速電車。満員の車内で、こっそり周囲に視線を走らせる。観察しているのは、乗客の着ている服やかばん。「管理職になってから、なかなか街頭調査をする機会がないので、通勤電車は貴重なマーケティングの場」と話す。
 通販カタログのレディス衣料を中心に、カタログ全体のコンセプトやプランを立てる販売戦略推進室長を務める。実は、会社に入ってまだ五年半ほど。以前は、大阪でマーケティング会社に勤めていた。企業の広報や販売支援を行う仕事に物足りなさを感じ、「消費者に近い仕事がしたい」と、幅広く商品を取り扱うニッセンに転職した。
 入社直後は、大きなサイズの婦人服を扱うカタログを担当していたが、二年半前から主力カタログ「ニッセン」を担当。年五回発行するカタログで、どんな商品提案をするか、一年前から考える。カタログ全体の方向性を決める部署だけに、関係する部署が多く、最も重要なのはコミュニケーションという。できるだけ担当者に電話をかけ、直接出向いて話をして、考えや仕事の進み具合を把握する。また社内では、どの部署の人にも、あいさつを欠かさない。「いろんな人と話すのが好きなので、特に大変ではない」という。
 今年一年間、女優の菊川怜さんとの共同企画を展開している。タレントを起用した企画は同社で初めて。菊川さんの服の好みや思いを引き出し、一から彼女とデザインやコーディネートを考えた。特に苦労したのが、四月に発行された夏号で掲載している花柄のワンピース。白地に原色で大きめの花をあしらったデザインだが、当初はもっと暗い色の地味な小花柄だった。サンプルを発注したものの、しっくりこない様子の菊川さんを察知。彼女の意見を聞き直し、社内のデザイナーに花柄を描き起こしてもらった。サンプルができあがってきたのは、菊川さんとの次の打ち合わせ直前だった。「年間通じて巻頭を飾る企画で、納得いかないものは出せない」
 現在は、早くも来年の夏号に向けた準備を進めている。将来は、ニッセンのブランドイメージを確立させることが目標だ。「一年後に何が流行しているか、正直わからない。ありとあらゆる方法で、消費者の本質を探りたい」

やまもと・くみこ 近畿大商経学部卒。1997年に大阪府内のマーケティング会社に就職し6年余り勤めた後、2002年9月ニッセン入社。プランニング本部プランニングチームなどを経て、08年6月21日から現職。趣味は昨年から始めたゴルフ。奈良県出身。34歳。

【2008年6月29日掲載】