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顧客と心のつながりを

ホテルグランヴィア京都 料飲部グランジュール副支配人 谷口信子さん
ホテルグランヴィア京都 料飲部グランジュール副支配人 谷口信子さん

 ホテルのロビーラウンジは、宿泊客以外の利用も多い。京都駅ビル内のホテルとなれば、観光客から百貨店の買い物客まで幅広い人が訪れる。「まずは顧客と顔見知りとなることが大切」と接客の心構えを語る。
 ロビーラウンジ「グランジュール」の副支配人として、予算管理など店舗運営を担う一方、店内スタッフたちと一緒に接客をこなす。二、三度目の来店となる人がいれば、タイミングを計りながら声を掛けてみる。会話が弾み、好きな味や飲み物が分かれば、次の来店時に好みに合ったメニューを勧めることもできる。「顧客に喜んでもらうことが仕事の励みにもなる」という。
 ラウンジの看板メニューの一つが、ドイツの老舗メーカー「ロンネフェルト」の茶葉でいれる紅茶だ。世界の最高級ホテルでも採用されている紅茶を初めて口にした時は、香りや後味の良さに驚かされた。導入してから三年が過ぎ、この紅茶が目当ての利用客も増えてきたという。
 同社の茶葉は手作業で生産されるほか、農薬の基準が日本国内より厳しいために安全性も高い。もともと紅茶好きだったこともあり、興味が沸いた。二年前には、商品知識などを問う同社のティーマスター認定試験に挑戦。休暇を取り、横浜市内で四日間に渡る講義や試験を受けて合格した。「自分自身が商品のことを十分に理解した上で、顧客に紹介したい」と話す。
 職場では、女性スタッフ約二十人を束ねるリーダー的存在。「接客にはマニュアルだけでは通じない難しさがある」と、後輩たちには丁寧な指導を心掛けている。
 ホテルでの仕事を目指したのは、ホテルの宴会場で料理を出す飲食店でアルバイトをしていた高校時代。そばで見るホテルのスタッフは、いつも自然な笑顔で接客していた。「あんなに輝くような姿で仕事ができたら」。高校卒業とともに、ホテル業界に飛び込んだ。
 理想の接客に向けて努力する日々だが、「ホテルでの接客が好きだ」と実感している。「いろんな人と接する仕事。顧客との心のつながりを大切にしたいから、いつでも真剣な心で臨みたい」と力を込める。

たにぐち・のぶこ 明徳商業高(現京都明徳高)卒。京都市内のホテル勤務を経て、2000年10月に契約社員としてホテルグランヴィア京都(下京区)に入社し、01年4月に正社員採用。04年6月から現職。趣味はドライブや紅茶の研究。伏見区出身。34歳。

【2008年7月13日掲載】