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利用者に学び 就業支援

ハローワーク西陣 烏丸御池プラザ所長 杉井真由美さん
ハローワーク西陣 烏丸御池プラザ所長 杉井真由美さん

 子育て中の母親や若年者など幅広い求職者が訪れる京都市中京区のハローワーク西陣・烏丸御池プラザ。職業紹介の専門施設として二〇〇六年にオープンした。
 プラザ初の女性所長に就任して半年がたった。「目的は利用者に一日でも早く安定した職業に就いてもらうこと。交通が便利な場所にあるのでより多くの人に利用してほしい」と初心を忘れない。
 大学で社会福祉を学んだ経験から障害者雇用の重要性を強く感じ、京都西陣公共職業安定所に就職した。ほぼ一貫して就業相談の分野を歩み、仕事を探す多くの人と接してきた。その中で「就職はそれぞれの人生の中でとても大きな意味を持っている」と実感するようになった。
 一九九六年から二年間、実際に障害者の就職支援に携わった。腕が不自由な女性から、赤ちゃんにかかわる仕事がしたいと相談を受けた。当初は「難しい」と思ったが、本人のやる気に押されて求人を探したところ、女性は病院に就職、夢をかなえた。「障害のことだけを考えるのではなく、その人のやる気や信念にきちんと目を向けることが大切だと痛感した」と振り返る。
 近年、企業の雇用形態が多様化し、非正規労働の増加が社会問題化している。最近、就業相談に訪れた若者は、平日午前七時半から午後五時まで、土曜も半日出勤して月給が十三万円だった。非正規社員で、低賃金のうえ雇用が不安定なため、在職中に次の仕事を探す人が多いという。
 若年者に常用就職を促すため、五月からセミナーを始めた。三カ月間の訓練を経て、参加した二十、三十代の十人のうち六人が正社員として就職を果たした。「三カ月たつとみんなすごく変わった。やる気さえあれば就職への道は必ず開けると分かった」と喜ぶ。
 自身も人一倍、仕事にこだわりがある。公務員を選んだのも働き続けるためだった。それでも二度の出産と育児の期間は仕事と家庭の両立に苦労した。当時の産休は八週間だけで、三カ月目からは保育所に預けた。「時間に追われる生活で大変だった。その経験も生かして仕事と家庭の両立を目指す人の手助けをしたい」と力強く語る。

 すぎい・まゆみ 関西学院大卒。1979年、京都西陣公共職業安定所に入り、統括職業指導官、京都労働局総務課長補佐などを経て今年4月から現職。趣味は俳句。帰りの電車内で句を作り、気分を切り替える。京都市出身。53歳。

【2008年10月12日掲載】