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分析機器の用途広げる

堀場製作所分析センターマネジャー 石川純代さん
堀場製作所分析センターマネジャー 石川純代さん

 こんな分析できますか−。有害物質や不純物の分析に始まり、電子回路の検査、考古学資料の解析など、多彩な依頼が堀場製作所(京都市南区)の分析センターに持ち込まれる。依頼者のニーズをくみ取り、分析機器に新たな付加価値を作り出す。「ソリューション(解決策)を提案するのが仕事です」。部下八人を引っ張るマネジャーが目を輝かせる。
 同センターは、試料分析を通して機器の機能を説明し、販売につなげるのが主な役割。X線やレーザー、電子線などを利用した分析計測機器を一人一種類ずつ分担する。自身の担当はX線で元素組成を分析する装置。半導体や食品、金属などに混ざる不純物が検出できる。「品質管理の根幹にかかわり、日本のものづくりを支える機器」と胸を張る。
 使い方を誤れば正確な分析ができないため、納入先へ出向いて、数十人の研究者を相手に機器のノウハウを講師として教えることもある。「あなたのノウハウと一緒に機器を買った」と認められるのが最大のやりがいだ。
 元々は研究者として入社した。工業排水などを調べる水質計測機器を開発する部署で、環境保護に貢献していると自負していた。しかし、4年目で現在の分析センターへ異動。当初は、試料のデータをとれば完結する仕事と考え、「私でなくても…」と悩んだ。
 転機は急に訪れた。当初、試料を破壊せずに元素組成を割り出す新型X線分析装置を担当したが、売れ行きがさっぱり。しかし、二年目に突然二台売れた。偽造パスポートを判別するという思いがけない用途だった。これを契機に「何に使えるか考える積極提案に気付いた」。視野を広げて、仏教画の塗料分析や食品パッケージの不純物検査に応用するようになった。
 昨年一月にマネジャー就任。「個人商店」的に働く部下たちの分析ノウハウをヨコにつなげる重要性を痛感する。「ノウハウを共有すれば、お客様にとってより適切な分析方法を提案できるはず」。
 持ち込まれる分析には難問もあるが、顧客と一緒に解決策を見出す過程が楽しくて「毎日ワクワクするんです」。

いしかわ・すみよ 関西大工学部卒。1993年、堀場製作所入社。環境工業計測開発部で水質分析機器の開発に携わり、96年から分析センターに勤務。2007年から課長級のマネジャーに。宇治市出身。37歳。

【2008年10月26日掲載】