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遺族に接し家族を思う

エテルノ西京極営業部統括主任 池田みづほさん
エテルノ西京極営業部統括主任 池田みづほさん

 亡くなった人との最後の別れを演出する葬祭サービス業。遺族の思いを表現するにはあらゆる要望への対応が求められる。葬儀施設などを運営する阪急メディアックスに入社後、エテルノ西宮(兵庫県西宮市)に配属。まず覚えたのはそれらの葬儀の進行だった。
 学生時代、アルバイトで接客業の面白さを知った。人とのコミュニケーションが好きでサービス業を目指した。だが、人の死にかかわる仕事に最初はとまどった。地域で違う葬儀の形式や順序。見習いで場数を踏んで勉強する日々。「宗教や葬儀に関して知らないことが多かった。感情に流されて涙する場面もあった」と入社当時を振り返る。
 葬儀を申し込む遺族は大切な人を亡くし、精神的に不安定。不快に思われないように「相手の立場に立って考えながら話を聞き、心から接することが大事」という。葬儀後に心が通った遺族に「うまく進めてくれたと喜んでもらえた時、やりがいある仕事と思った」
 西宮時代は事業開発も担当。信託銀行など、葬儀後の遺言や遺産相続にかかわる専門業者を招いたフェアの企画を手がけ、社内表彰でベストサービス賞を受賞したこともある。最近の葬儀は「生前に相談に来る人が多い。参列してほしい人の名簿を事前にまとめ、希望通りに旅立った人が印象深い。自分のことは最後までしっかりと考える人が増えている」という。
 仕事を通じて数々の死と遺族に接した。高齢者ばかりでない。若くして亡くなる人。自分の親世代の人も多い。「多くの葬儀に立ち会い、家族に対する考え方が変わった。両親に会うとたくさん話をするようになった。親に偉そうなことを言ってた時期もあるけれど今は本当に感謝したい」
 エテルノ西京極(京都市右京区)に移ってからは、再び葬儀進行の仕事に就いた。葬儀の打ち合わせ、アフターサービスと仕事は忙しいが、充実した日々。「常に知らないことを勉強して日々精進したい」と話す。
 最近は、納棺師をテーマにした本木雅弘さん主演の映画「おくりびと」が話題を呼んだ。映画を見て「自分もしっかりしないとと思いを新たにした。映画などをきっかけに死に携わる仕事へ理解が深まれば」と願っている。

いけだ・みづほ 京都橘女子大(現京都橘大)文学部卒。2001年阪急メディアックス入社。エテルノ西宮で葬儀の施行運営に従事、04年10月から営業部で広告宣伝担当。05年12月からエテルノ西京極で葬儀施行運営を担当。兵庫県出身。30歳。

【2008年11月2日掲載】