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美しさも実用性も追求

ルシアンインナー事業部製品企画部デザイングループ長 小野 弘美さん
ルシアンインナー事業部製品企画部デザイングループ長 小野 弘美さん

 多彩な色柄やレースの飾りなど、デザインが豊富な女性用の下着。着心地や身に付けた時の体のシルエットなど下着本来の機能も重視される。「いくらかわいい商品でも、着用感が悪いと次に買ってもらえない」。デザイナーや、デザイン画を立体的な形にするパタンナーら二十四人を率いるグループ長として、美しさと実用性を兼ね備えた下着の開発を目指している。
 「デザイナーが感性を表現することは大切だが、あくまで商品。顧客に支持される必要がある」。流行や市場調査などの情報収集に努めるのはもちろんだが、街に出れば女性の服装や持ち物を観察する。グループ長となった今も、高機能商品のデザインやパタンナーの仕事をこなし、店頭を通じ「この下着でないとだめ」という顧客の声が届くと、やりがいを感じるという。
 幼いころから、着せ替え人形で遊んだり、編み物や工作をするのが好きだった。中学生のころ、漫画雑誌で連載していた「ベルサイユのばら」を読んで、華やかで美しい衣装にあこがれた。高校で服飾デザインを学び、「学ぶよりも実践」と卒業と同時に現場に飛び込んだ。
 二十代後半から三十代にかけ、当時主力の下着ブランドのデザインを担当した。商品を一新する際、より着用時のシルエットやフィット感にこだわった。すると、色違いで同じ形を買う人や新作を出すたび購入してくれるリピーターが増えた。「見た目も着心地も良い下着が支持されることを実感した」と振り返る。
 グループのスタッフには、それぞれの個性を生かすため、あまり細かく指示をしない。ただ、仕事に悩んでいる様子の時は声を掛け、長いデザイン部門での経験からアドバイスする。
 一部のスタッフが駐在する東京や海外への出張も多く、忙しい日々が続くが、「夫や家族ら周囲の理解があってこそ、ここまでやってこれた」と話す。
 「デザイナーやパタンナーは時間をかけて技術を身に付け、磨いていく。途中で辞めてしまうには惜しい」。公私にわたり、働きやすい職場づくりを心掛けている。

おの・ひろみ 日吉ケ丘高服飾科卒。1980年4月に野村(現ルシアン)入社。インナー事業部商品開発室長などを経て2005年4月から現職。休日は家事が中心で、美術館や博物館に足を運ぶこともある。旅行好きだが、「今は仕事が忙しいので、しばらくは難しそう」。京都市伏見区在住。47歳。

【2008年11月9日掲載】