京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > MyウェイMyライフ
インデックス

客の冒険心くすぐりたい

大丸京都店営業推進部 婦人雑貨売り場改装担当 安井千夏子さん
大丸京都店営業推進部 婦人雑貨売り場改装担当 安井千夏子さん

 婦人雑貨一筋の売り場経験を買われて九月、十四年ぶりとなる大改装の担当に抜擢された。化粧品や靴、バッグなど一、二階に分かれている婦人雑貨を、百貨店の顔ともいえる一階にすべて集約するのが使命だ。「とても大変なプロジェクト。販売員やバイヤー、みんなの思いを実現させたい」と決意は固い。
 改装完了は来年九月。営業を続けながら順次、売り場を組み替え部分改装を進めるため、時間は限られている。「しんどいのは最初の半年。何があってもがんばろう」との信念で進んできた。
 婦人雑貨を手掛ける二人をはじめ、婦人服を含む一−四階の改装の担当者は計九人。経営サイドや店舗デザイナーと交渉したり、売り場に出たりと息つく暇もない。「たくさんの人がかかわる大きな仕事だと改めて感じた」と身を引き締める。
 新人時代、ハンドバッグ売り場で接客した女性に、「今日は本当は買う気なかったけど、買ってしまったわ」と言われたことが今でも忘れられない。「商品に納得して、さわやかに買い物してもらえた」。顧客の様子や気持ちを理解して接することを心掛けてきた。
 ハンドバッグ売り場の責任者、さらにバイヤーを任され、婦人雑貨全体の販売促進を担う部署も経験した。現場担当を離れてからもなるべく売り場に立ち、客が求めるもの、販売員の意見に耳を澄ませた。一貫して大切にしているのは、人の意見を否定せずに聞き、自分の意見も伝えること。「意見を押しつけ合わない関係がいい」
 直近の大改装は一九九四年の北館オープン。この十四年の間に、理想の売り場への社員や販売員のさまざまな思いを聞いてきた。「それはお客さまに接して気づいた改善点でもあり、みんなの願いを目に見える形で実現するのがわたしの役割」と言い切る。
 インターネットの浸透や販売チャンネルの多様化など、周囲の環境も変わった。百貨店も会社帰りに気軽に寄るような身近な存在になった。「これまで若い人に充実した商品を提供できていなかった」との反省から、ファッション性の高いものや、質が良く手ごろな商品を置きたいという。
 「サイズなどのある洋服と違って、雑貨は年齢に関係なく楽しめる。お客の冒険心を膨らませられるような売り場にしたい」と目を輝かせた。

やすい・ちかこ 立命館大文学部卒。1990年大丸入社。京都店でハンドバッグ売り場マネジャー、バイヤー、婦人雑貨子ども服部の販促スタッフなどを経て、今年9月から現職。京都府出身。41歳。

【2008年11月16日掲載】