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京都の思い出に彩りを

ホテル日航プリンセス京都 チーフコンシェルジュ 山田裕美さん
ホテル日航プリンセス京都 チーフコンシェルジュ 山田裕美さん

 宿泊や宴会、レストランの予約受付をはじめ、ホテル宿泊客のあらゆる要望に答えるのがコンシェルジュの役目。ロビー奥のカウンター近くにある机に座り、フロア全体に常に注意を払う。時には手荷物預かりも手伝う。「京都での短い時間をよりよいものにしてほしい。だから笑顔での対応を心がけています」
 入社して十四年。職名が二年前、当初の「ゲストリレーションズ」からコンシェルジュに変わったが、基本的な仕事内容は同じ。接する顔は絶えず変わる。「毎日毎日、変化がある。いつも新たな課題が目の前に立ちふさがり、挑戦の日々。満足なんてしたことない」
 五年ほど前に、部下二人を束ねるチーフに就いた。「責任が一層増した。自分の仕事だけでなく、ホテル業務全体もしっかり見渡していないと」。笑顔を保ちつつ、絶えず気を張っていないと務まらない。一方で「あきらめないことが肝心。すべてを知っていることなんて不可能。ホテル内で詳しい人との橋渡しができればいい」と持ち前の明るさでプレッシャーをはねのける。
 勉強も欠かせない。客にとっておきの京都情報を提供するため、休日にも話題のスポットや人気店、神社仏閣、美術・博物館に足を運ぶ。「趣味も兼ねているので楽しい。立ったり座ったりで体力的にきついと思うこともあるが、大変と感じたことはない」
 時には無理難題とも思える注文も舞い込む。外国人宿泊客から「何年も前に訪れた場所にもう一度行きたい」と相談され、おぼろげな断片情報から割り出したこともあった。「すごく喜んでくれた。思い出に少しでも彩りを加えることができたと思うと、無性にうれしかった」と振り返る。
 女性客にターゲットにプリンセスを冠に付けるホテルだけに、女性客が多く、最近は一人旅の女性も増えているという。「エステやおいしいお店など、女性に喜ばれる情報も絶えず新鮮なものを持っていたい」と心がけている。
 急いでいる宿泊客に満足なサービスを提供できなかった失敗もあり、「辞めようと思ったことも数知れずある」。でも、理想は「また来たよ」という人が増えること。「昨日より今日、今日より明日を考えて、いつも前向きに仕事に取り組みたい」

やまだ・ひろみ 同志社女子大家政学部卒。大阪のアパレル商社で人事などを担当した後、大阪花博のパビリオンでコンパニオンを務めた。1994年にホテル日航プリンセス京都入り。東京都出身。趣味は茶道と旅行。44歳。京都市西京区在住。

【2008年11月23日掲載】