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家事や育児・介護を代行

ママ・サービス会長 森本冨美子さん
ママ・サービス会長 森本冨美子さん

 京都府と滋賀県で家事代行や育児・介護支援など多様なサービスを展開している。固定客は二百人に上り、二十代から七十代まで百五十人のスタッフが登録している。
 京都の女性起業家では草分け的存在で、母や娘の立場で経験したことやその時々の思いをビジネスに結びつけた。「信念を持って投資すれば結果はついてくる」と話す。
 名古屋市の短大を卒業後、二十二歳で結婚し、京都に移り住んだ。夫の染色加工業を手伝いながら三人の息子を育てた。ボーイスカウトの母親仲間が「余った時間に働けたらいいのに」と話すのを聞き、起業を思いついた。「少しだけ子どもを見ていてほしい母親の気持ちと主婦の余った時間。世の中にないマッチングで、おもしろいと思った」と振り返る。
 一九八五年に四十四歳で創業した。当時はまだ「ベビーシッター」という言葉もない時代で、サービス内容を理解してもらうことから始めた。
 繊維会社の技術者を辞めて事業を興した父の成功例を知っていたため、あまり不安はなかった。「最初に大きなリスクを背負うのは当たり前。大事なのは五−十年先を見据えること」。広告を出し続けるうちに利用者が少しずつ増えてきた。
 五年後にはほぼ経営が軌道に乗り、サービス内容を順次拡充してきた。昨年五月に次男隆康さん(40)に社長を譲り、会長に就任した。
 現在はスタッフの教育係を担当している。ベビーシッターや環境にやさしい掃除の方法、言葉遣い、客先でのマナーまでオリジナル教科書は三十冊を超える。「人そのものが商品で、社員は子どものように大切な存在。真っ正面から向き合い、いやなことも言う。それが使命だと感じています」と話す。人材育成にとくに力を入れてきたため、大手セキュリティー会社が始めた家事援助サービスの京滋地区提携会社になるなど着実に評価を高めている。
 働く女性のキャリアアップを支援し、地域の雇用を創出する。仕事のやりがいはさまざまな分野で感じているが「お客さまから『(スタッフが)いなくなったら家が回らなくなる』と言われることが一番うれしい」と、現場重視の姿勢に変わりはない。社員の福利厚生施設を建て、その寮母になる日を夢見る。

もりもと・ふみこ 金城学院短大家政科卒。1985年家事代行サービスを起業。1992年ママ・サービス設立、社長に。昨年5月から会長。現在、京都中小企業家同友会女性部部長。趣味はガーデニング。名古屋市出身。67歳。

【2008年11月30日掲載】