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子育て中 猛勉強で転身

公認会計士 小長谷敦子さん
公認会計士 小長谷敦子さん

 京都府内の食品会社や機械メーカーなど五社の財務コンサルタントを務め、助言を求める中小企業の経営指導にも飛び回る。「数字の帳尻合わせだけが会計士の役割ではない。経営課題の解決策を見つけ出すお手伝いが大事」と思いを語る。
 経営支援の現場で実践しているのが、ベンチャーから大企業に飛躍した京セラの経営モデルだ。所属する会計事務所の代表で、京セラ監査役でもある田村繁和会計士から影響を受けた。田村会計士の助言に加え、京セラの稲盛和夫名誉会長の著書などから実践的な理論を取り入れており、「会計手法で中小企業にも当てはまるものが多い」と説く。
 代表的なのが「アメーバ経営」で、社内を小集団ごとの独立採算にする手法だ。「社員は自分の行動一つで会社が変わると考えにくいけど、一人一人に経営者の意識を持たせることが採算向上につながる。取り入れた会社から『社員の目の色が変わった』と言われたときがうれしい」と手応えを語る。
 実践で得た経験を基に、田村会計士と二人三脚で講演活動も行っている。最初の講演こそ「早口で話して失敗した」というが、回数をこなすなかで依頼が増え、今は月平均二回の講演をこなしている。
 大学卒業後は大阪府内の百貨店で勤務していた。職場結婚し、長男も生まれた。仕事はしたいが、土日曜の出勤がある百貨店では子どもとすれ違いになる。そう考えて、会計士資格の取得を選んだ。
 子育ての傍ら猛勉強に励み、一九九三年に三回目の挑戦で合格。監査法人への就職を目指したが、就職氷河期で採用が少なく、希望はかなわなかった。勤めた会計士事務所も所長の急逝で仕事場を失った。
 転機になったのが田村会計士との出会い。所属していた税理士会で顔見知りとなり、講演に招かれた。そこで「会計士の仕事は数字とのにらめっこだけじゃないと知った」。大学の同窓という縁もあり、田村会計士の事務所で勤め始めた。
 会計士になって今年で十五年。「現状に満足せず、京セラ式会計をもっと広めて中小企業を元気にしたい」と目標を掲げた。

こばせ・あつこ 早稲田大卒。百貨店勤務の後、結婚、出産を経て1993年に公認会計士試験に合格。99年から経営ステーション京都(京田辺市)に所属。著書に「子育て主婦の公認会計士合格記」(中経出版)など。京都市出身。48歳。

【2008年12月07日掲載】