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外国人と京都をうまくつないでいきたい 海外体験生かし紙面に

外国人観光客向け 無料情報冊子の編集長 竹本千賀子さん
外国人観光客向け 無料情報冊子の編集長 竹本千賀子さん

 カフェ経営の傍ら、外国人観光客向けの無料情報冊子「journal Kyoto」の発行を昨年九月から始めた。A5判全十四ページカラーで、すべて英語。外国人観光客や女性客の会話が響く京都市中京区のカフェの一角で、テーブルを囲み紙面デザイナーや京都外国語大生ら編集スタッフ八人が真剣な表情で来月号の企画を練る。「それ面白いんじゃない」。輪の中心で議論を引っ張る。
 東京で育ち、同志社大を卒業後、日本航空に就職し、国際線の客室乗務員を務めた。学生時代に初めて海外旅行を経験し、「この目で世界のいろいろな場所を訪ねてみたい」と夢を抱いて難関を突破した。
 世界を飛び回る充実した日々。ただ、体力的な負担も大きい。三十代を目前にして「十分飛んだ。もうおなか一杯。違う人生を歩んでみたい」と思うようになった。
 それまでも年に何度かは京都を訪ねていた。寺社や庭園など日本的なものに引かれるようになっていた。「京都にもう一度住んでみたい」。決意は固かった。パリやロンドンの街角で見かけた、太陽の光が差し込むようなオープンカフェを開くため、会社を辞めて一人、京都で物件を探した。
 京都御苑南側の丸太町通沿いで二〇〇二年に開店。店は雑誌にも取り上げられ、当初はにぎわったが、活況は長くは続かなかった。「今思うと長い客室乗務員生活で、価格設定などでどこか浮世離れしていた。貯金はどんどん減っていった」
 偶然知ったパソコン会社の販促キャンペーンで無料貸与のパソコン四台を置くと、インターネット目的の外国人観光客が徐々に増えていった。交流を重ねるうち、京都で外国人観光客が求める情報があまりに少ないことに気づいた。「世界の国際観光都市には駅やホテルに無料情報誌が山ほどあったのに」。客室乗務員時代の記憶がよみがえってきた。
 紙面は当初の催し案内やお勧めの観光コースだけでなく、京都に住む外国人を紹介するコーナーなどを充実してきた。「客室乗務員の経験が今に生きるとは思わなかった。いずれは会社組織にして発行の枠を広げ、外国人と京都をうまくつないでいきたい」と夢を膨らませる。

たけもと・ちか 福岡市出身。「journal Kyoto」は毎月3000部発行で、京都市内のホテルなど100カ所に置いている。店は夫婦で経営。趣味は寺社や庭園めぐりで、4歳の長男と遊ぶこともストレス解消法の一つ。38歳。

【2008年12月21日掲載】