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顧客の信頼保つ「生命線」

村田製作所品質保証部 品質企画戦略課係長 松下 恵美さん
村田製作所品質保証部 品質企画戦略課係長 松下 恵美さん

 セラミックコンデンサーをはじめとした自社製品の品質向上に携わる品質保証部で五年近く働く。「不良品の発生を抑え、製造時間をどれだけ短くできるか。品質は開発から販売まで見渡して考えることが大事」と説明する。企業にとっても顧客の信頼を保ち、利益率を高めるうえでの「生命線」といえる仕事だ。
 不良品対策では、製造現場に足を運んで生産工程のあらゆる手順を洗い直し、原因を把握してから現場と解決方法を探る。たとえばセラミックコンデンサーでは、製品の形状を工夫することで割れや欠けの発生を三分の一に抑えることに成功した。機械の操作や材料の投入段階で生じる作業ミスを、仕事の手順を見直すことで十分の一に減らしたこともある。
 「具体的な解決方法は製造部門が考えるが、参考事例やヒントを出して手助けするのがこちらの役割。現場の人が品質改善を前向きにとらえて取り組めるように心がけてきた」。自身も現場の担当者から「数字が劇的に改善した」「改善案を考えることが楽しい」という声を聞いた時が一番やりがいを感じるという。
 昨年十一月、新設された品質企画戦略課に異動。品質にかかわる教育や人材育成のプログラムづくりを任された。今はクレーム件数や顧客の声などのデータを分析し、プログラムをどう組むか思案する毎日だ。「品質教育は今までもあるけど、今後は製造現場だけでなく、開発などの川上部分にあたる人の意識も高めていく必要がある。個人の能力をうまく引き出せる仕組みを作りたい」と意気込む。
 入社してからの十五年間は、開発途中の製品や不良品の材料分析を行う部署にいた。分析機器を用いて材料の組成を調べ、欠陥を発見したり、不良原因を探したりする仕事で「パズルを解くような面白さがあった」。
 社内結婚を経て二児を出産した。同居している母親の支援もあり、短いブランクで復職できた。次女の育児休暇から職場に戻った二〇〇四年に品質保証部へ異動。最初は戸惑いもあったというが、今では「自社の製品がどうやってできて世に出ているのか。全社的な流れを知り、視野を広げることができた」と自身の成長を実感している。

まつした・えみ 金沢大理学部卒。1988年に村田製作所入社。材料技術統括部分析センターを経て品質保証部、昨年11月から現職。同社の技術者である夫との間に娘が2人いる。三重県松阪市出身。43歳。

【2009年2月8日掲載】