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灯のあたたかさ伝えたい

京都キャンドル代表 キャンドリングアドバイザー 吉田晶子さん
京都キャンドル代表 キャンドリングアドバイザー 吉田晶子さん

 円筒形から三角、四角。多様な形のキャンドルが店内に並ぶ。描き込まれた花鳥風月の絵柄が彩りを添え、独特の「和キャンドル」が道行く人の目をひいている。
 昨年六月に念願の店舗を京都市中京区押小路通新町にオープンした。
 京都府が女性の起業を支援するチャレンジオフィスの一期生。昔から「炎の向こうに見える人の顔はやさしい。灯のあたたかさをみんなに伝えたい」との思いがあった。二児の母。育児が一段落し、趣味だった手製キャンドルで起業を決意した。「最初は軽い気持ちだったが、一時的なパートよりも自分でずっとやっていける仕事がしたかった」といい、二〇〇五年に京都テルサ(京都市南区)内のチャレンジオフィスで事業を起こした。
 システムエンジニアなどは経験したが、営業の経験はない。販路開拓に取り組むが、分からないことばかり。家に帰っても家事で忙殺される。仕事に集中できない日々が続き、「焦っても仕方がない。自分のペースでやるしかない」と思い直した。
 困った時にはオフィスで同居する女性起業家たちとの会話が役立った。「一人でやっていたら情報がないけれど、同じ思いの人がいると周りが何をしているのかよくわかった」
 その後、京都・北山の環境イベント「百万人のキャンドルナイト」に協力。出張キャンドル作り教室も増え、販路は大阪にも広がった。京都の友禅絵師などキャンドル絵柄の描き手も増え、徐々に事業の形がみえてきた。
 チャレンジオフィスで三年の入居期間を終えて自分の店を出した。今年は、ウエディング用のキャンドルを式場向けに拡販することを目指している。「拠点ができて自信もできた。カフェなどにキャンドルを使う場面を広げ、観光客が炎を見て京都を思い出すようなキャンドルの町にしたい」
 不況が深刻化する状況下、起業を考えている女性には「悩んでいるならとりあえずやってみたらいい。最初に立てた目標にうろうろしながらでも近づいていけばいいと思う」とアドバイスする。

よしだ・あきこ 同志社大経済学部卒。システムエンジニア会社、造園設計会社などで勤務後、育児に専念。05年6月に京都キャンドルを起業、昨年6月に京都市中京区押小路通新町角に出店=フリーダイヤル(0120)928382=した。京都市出身。39歳。

【2009年3月15日掲載】