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母国の生産現場支える

クラウディア経営企画室係長 李順蘭さん
クラウディア経営企画室係長 李順蘭さん

 机の上に企業経営の書籍や使い込んだ中日辞書が並ぶ。昨年四月から中国・青島市にある婚礼用ドレス生産子会社の副総経理を兼務し、母国の中国語と十五年前から磨いてきた日本語で業務をこなす。

 青島の子会社はグループのドレス生産の半分近くを占める重要拠点だ。「言葉の壁を越え、本社とのパイプ役を果たすのが仕事」と話す。

 子会社の経営管理を担い、月一回は現地に一週間ほど出張して財務状況や工場の様子を確かめる。社内だけでなく、税や雇用関連の法律改正をはじめ社会情勢の変化にもアンテナを張る。

 もともと中国北東部のハルビン市で小学校教諭を務めていた。二十六歳のときに日本に留学し、大学院に進んだ直後に、中国語を話せる経営管理部門の人材を募っている京都の企業を親類から紹介された。

 専攻は教育社会学。経営管理は考えたこともない仕事だったが、卒業後は日本で働きたいと思っていた。「中退してでも、このチャンスをつかもう」と応募を決めた。

 仕事は、通訳から始まった。中国に出張する本社役員らに同行し、現地社員との会話を通訳する中で、会社や経営の基礎を学んだ。難しい用語や中国の財務会計は、専門書を手にとって知識を深めた。「できないと思ったことも、挑むことで秘められた能力が花開く」と信じている。

 今春、係長に昇進し、夏からは青島に駐在することが決まっている。「人、物、金をきちんと管理し、本社のニーズに合った生産体制を構築したい」と表情を引き締める。久しぶりの中国生活は「楽しみでもあり、なじめるか少し緊張もある」と笑顔を見せた。

リ・ジュンラン 中国ハルビン市出身。1999年に来日し、松山大、愛媛大大学院で学んだ。2004年10月に入社し、経営企画室主任だった08年4月に青島瑪莎礼服有限公司副総経理兼務となり、09年4月から現職。36歳。京都市右京区在住。

【2009年4月19日掲載】