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楽しく働き、旬の味提供

レストラン思風都オーナー会長 土井善子さん
レストラン思風都オーナー会長 土井善子さん

 金閣寺に近い京都市北区の西大路通沿いにあるコテージ風のレストランは親子連れや学生、観光客らでにぎわう。調理場が見渡せるオープンキッチンで、自慢のシーフードは店内のいけすを泳ぐ魚が目の前で調理される。野菜は亀岡市の提携農園から届けられ、旬の新鮮な味を提供する。

 「体にいいものをおいしく出すのが飲食店の務め。店内のものすべてにこだわっています」。客が快適に過ごせるようテーブルやいすは角を丸くするなど隅々に目を配る。
 「小さなころから人のために料理を作るのが好きだった」。主婦業の傍ら食堂を手伝うなど飲食業への興味を持ち続けた。28歳の時に北区の自宅1階で学生向けの食堂を開き、夢をかなえた。

 10年後、シンガポールで多彩な魚料理を楽しめるシーフード店と出会った。レストランといえば肉料理と思っていたが「日本人はやっぱり魚料理」とあらためて思った。タイの人気店にも足を運んで料理や内装を研究、1986年に左京区でシーフード店を開いた。

 当時まだなじみの薄いスタイルで苦戦した。半年後、アトピー性皮膚炎の男の子が来店した。肉類や大豆が食べられず、母親は「シーフード店なら食べられるものがあると思って」と話した。

 早速、ゆでた魚の白身、ヒエやアワで作っただしなどでアレルギー症状がある人でも安心なメニューを開発した。評判が口コミで広がり、客が増え始めた。「一時は自信をなくしかけたが、シーフードが日本人に合うという考えは正しかった」と振り返る。
 現在の目標はすべての人が楽しく働ける職場づくり。二つの店で知的障害者8人や聴覚障害者を雇っている。「障害がある人が社会に出るための最初の一歩を支援したい」と夢を語る。

 どい・よしこ 1973年に飲食店を開業。97年に「思風都」設立、社長に就任。2007年から会長。現在、京都中小企業家同友会副代表理事、障害者問題委員会委員を務める。レストラン思風都は京都市北区天神森町。北区在住、61歳。

【2009年7月5日掲載】