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女性が活躍できる職場を

ローム人事部相談室 中田愉香さん
ローム人事部相談室 中田愉香さん

 「何か悩んでいることはない?」。後輩の女性社員に気さくに声を掛ける。一対一のヒアリングを重ねて職場ごとの課題を把握し、管理部門に制度改善を提案する。「相談を受けて一緒に問題を解決することに一番のやりがいを感じる」と話す。

 07年夏、社内の自己申告制度を活用し、後進の女性社員を育てる重要性を人事部長に訴えた。「君がやってみないか」。翌年に営業職から人事部への異動を打診され、「結婚、出産後も女性が頑張って働ける職場をつくりたい。挑戦してみよう」と決めた。

 営業に長く携わった分、現場サイドの言い分はよく分かる。「相手の信頼を得るにはまず自分の心の扉を開かなければ」と自らの考えも話し、親身に相談に乗っている。

 入社から8年間、東南アジア地域担当の営業部署でアシスタントとして現地販売会社の資材調達や交渉事務を担った。何度も海外に足を運ぶ熱心な姿勢が評価され、2004年に営業本部の外勤職に抜てきされた。

 顧客企業を1人で回り、最新の半導体製品を売り込むには専門知識と体力、度胸がいる。職場は男性が9割超を占め、数少ない女性の中で最年長だった。「どうやったら女性が活躍できるのか」。技術が日進月歩の業界で、出産や育休の取得は大きなブランクになりかねない。販売競争に身を置きながら考え続けたことが現在につながっている。

 今春、新入社員1人ずつに入社3〜5年目の先輩を付ける人材教育制度が始まった。仕事で壁にぶつかった時に先輩に助言を求める。個別ヒアリングで浮かび上がった課題だった。「まだ未熟だけど、人を育て、個々の力を最大限に発揮できる土壌をつくりたい」。瞳に力がみなぎった。

なかた・ゆか 立命館大国際関係研究科卒。96年ローム入社。海外営業本部、西日本・ASEAN営業本部を経て昨年7月から現職。約10年前から趣味で市販の陶磁器に絵付けし、展示会に出品を続けている。大阪府高槻市出身。37歳。

【2009年7月26日掲載】